Jリーグ53全クラブ観客数増減トップ3&ワースト3を発表 G大阪の新スタ効果は絶大、FC東京は集客に苦戦

J2からの昇格組が大幅に増加、サッカー専用の新スタジアム効果は絶大

 Jリーグ全53クラブを対象に、2015年と2016年の1試合平均観客動員数(ホーム戦)から増減幅をチェックし、今回は増加幅の大きかったトップ3と減少幅の大きかったワースト3を発表する。2位と3位はJ2からの昇格組である福岡と磐田。3位の福岡は4165人増、2位の磐田は4570人増と両クラブとも大幅なプラスとなった。

福岡は就任1年目にチームを昇格へと導いた井原正巳監督の下、「90分間走り続け、アグレッシブに仕掛ける」スタイルを掲げ、スポンサー企業1500社・平均入場者数1万5000人を目標にJ1の舞台に挑んだ。11月に1500社に到達した一方、入場者数は1万2857人にとどまったが、昨季から大幅に増やすことには成功した。

名波浩監督率いる磐田は3年ぶりにJ1の舞台へと舞い戻り、元イングランド代表のジェイをはじめ、5月に日本代表に初選出された小林祐希らを擁して注目を集めた。ヤマハスタジアムの収容人数は1万5165人で、平均観客動員数は1万4611人とほぼ満員に近い状態。J1昇格により、サッカー熱に再び火が付いた形だろう。

最も増えたのは、総工費約140億円を費やした市立吹田サッカースタジアムを今季から本拠地にするG大阪。サッカー専用の新スタジアム効果は絶大で、一目見ようとアウェーチーム側からも多くの観客が足を運んだようだ。収容人数も昨季まで使用した万博記念競技場の2万1000人から3万9684人に増加した関係もあり、2位以下を大きく引き放した。

3位=【福岡】+4165人
15年:8692人(21試合/J2)→16年:12857人(17試合/J1)

2位=【磐田】+4570人
15年:10041人(21試合/J2)→16年:14611人(17試合/J1)

1位=【G大阪】+9343人
15年:15999人(17試合/J1)→16年:25342人(17試合/J1)

2クラブが降格組、FC東京は唯一“-4000”台

 ワースト3のうち、2クラブはJ1からの降格組となった。トップ2に食い込んだ磐田と同じ中部地方の清水がワースト3位で、J1からの降格もあり大幅に減少。1万人割れは防いだものの、96年にナビスコ、01年に天皇杯を制したオリジナル10の一角としては寂しい数字となった。

ワースト2位は同じく15年に降格の憂き目に遭った山形だ。30歳前後のベテランを放出して若返りを図ったものの、サポーターにとっては足が遠のく一因となったのか、観客数は40%近く減少。J1時代は1万人台だった数字は6000台へ下がった。

全53クラブの中で最も減少幅が大きかったのはJ1のFC東京だ。15年は武藤嘉紀(現マインツ)がブレイクし、クラブ史上最高の4位という躍進もあったが、今季は序盤から不安定な戦いが続いて中位と苦戦。7月に監督交代の一手でやや盛り返したものの、チームは最後まで大きなインパクトを残せず、客足も遠のいた。マイナス幅が唯一の4000台で、ワースト2位の山形と約1000人近くの差がある事実からも、集客に苦戦した感が窺える。

51位=【清水】-3529人
15年:14803人(17試合/J1)→16年:11274人(21試合/J2)

52位=【山形】-3776人
15年:10030人(17試合/J1)→16年:6254人(21試合/J2)

53位=【FC東京】-4747人
15年:28784人(17試合/J1)→16年:24037人(17試合/J1)

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