痛恨のO・G…OA枠27歳藤春、後悔の涙「覚えてない」

◇リオ五輪男子サッカー・1次リーグB組 日本2―2コロンビア(2016年8月7日 ブラジル・マナウス)

涙が止まらなかった。試合後、痛恨のオウンゴールを犯したリオ五輪日本代表DF藤春は、目を真っ赤にしたまま報道陣の前に現れた。「(クリアを)迷った のか?」と問いかけられると「そうっすね…」と言葉を詰まらせた。「覚えてないぐらいの感じで、クリアしようと思ったときには足に当たっていて…」。オー バーエージ枠の左サイドバックが、ショックを隠しきれず泣いた。

信じられない光景だった。後半14分に先制され、0―1で迎えた同20分だった。自陣深くに攻め込まれ、コロンビアのシュートをGK中村が足で止めた ボールは藤春のもとへ。利き足とは逆の右足の前に転がると、一瞬のためらいが中途半端なクリアになる。ゴールへ向かうボールをDF植田が必死でクリアした が、これがゴールラインを割っていると判定されて失点に…。逆転が遠のき、ぼう然とした藤春は前半34分にも決定機でヘディングシュートを外すなど攻守に 精彩を欠いた。

1点差を覆すプランを描いていた手倉森監督も「オウンゴールがなければひっくり返っていたゲーム」と計算が狂ったことを認めた。ナイジェリアとの初戦で 5失点。中2日で迎えたこの日は球際の強さを意識し、高い位置でボールを奪う積極的な守備も披露した。だが、終わってみれば自滅も含めて2失点。2戦6得 点の攻撃陣とは対照的に2戦7失点と守れない弱さをまたも露呈した。

勝ち点1を得て決勝トーナメント進出の可能性は残したものの、依然として突破への道のりは険しい。スウェーデン戦に負ければ無条件で敗退が決まり、勝っ ても他力に頼らざるを得ない。「みんなが最後まで戦ってくれて、まだ望みがある。この借りを返せるプレーをできれば」と藤春。悔しさを晴らす舞台は残され ている。

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