【G大阪】5年ぶりPK失敗の遠藤は、「また機会があればしっかりと蹴りたい」。公式戦3連敗のG大阪が、苦境から抜け出す術は?

遠藤がJ1でPKを失敗するのは2011年3月5日のC大阪戦以来。

 最後の最後で得るはずだった勝点1。だが、ホームで最低限とも言える結果さえ、スルリと手放してしまおうとは、その時、誰が予測しただろうか。

1点を追う後半アディショナルタイム。G大阪は日本代表の宇佐美貴史がペナルティエリア内で倒されたと判定され、土壇場で同点のチャンスが巡ってきた。 キッカーは、「PK職人」とまで呼ばれた遠藤保仁。外すことなど、あり得ない――。満員に近い34,231人のほとんどの観衆が、そう思って同点に追いつ く瞬間を待った。

短い助走から遠藤が蹴ったシュートは、横浜のGK飯倉大樹に弾かれた。蹴る瞬間、飯倉がワンステップだけキッカーから見て右に動いたのを見てから、左に放たれた弾道は、瞬時の判断が要求された分だけ、コースが甘かった。

普段は冷静な遠藤が、天を仰ぐ。勝負を左右するコンマ数秒の駆け引きに、スタジアムには大きなため息が漏れた。

PKでの得点数は、歴代最多の30点。職人と呼ばれた男が、J1でPKを失敗するのは2011年3月5日のC大阪戦以来、実に5年ぶり4度目のことだった。

遠藤は悔しさを押し殺しながら、こう言った。

「あれは自分のミスです。自信を持って蹴りました。しっかりと決められるようにしないといけなかった。(飯倉に)読まれていました。コースも甘かったですしね。外したからと言って、なにかを変えるわけではないですし、また機会があればしっかりと蹴りたいです」

40分には、かつて日本代表で一緒にプレーした横浜の中村俊輔に、目の前でFK弾を決められた。一方の遠藤はPKを失敗。結果的にふたりのキックの差で、勝点が動いてしまった。

噛み合い始めた宇佐美、パトリック、アデミウソン。PK獲得も彼らの連係からだった。

 チームはACLを含め公式戦3連敗。それでも長谷川健太監督は「正直、悔しい。こういう時期は、自分たちの力で乗り越えないといけない」としながらも「悲観する内容ではなかった」と必死に前を向いた。

パトリックを1トップに置き、左MFに宇佐美、右MFにアデミウソン。そしてトップ下に倉田秋。開幕前から期待をかけていた新布陣が揃って先発したのは初めてで、ようやくひとつの形になった。

19分には、左の宇佐美が上げたクロスを、パトリックが頭で落とし、最後は右足ダイレクトでアデミウソンが移籍後初ゴール。試合終盤には、何度も宇佐 美、アデミウソンが短いパスで相手ペナルティエリアへと侵入していった。最後にPKを獲得したのも、彼らの連係からだった。

しかし宇佐美は「チャンスがたくさんありながらも、決めきれなかった。(敗戦は)自分の責任だと思う」と渋い表情。アデミウソンも「もう少し、ダイナ ミックにいかないといけなかった。前でボールをつなぎすぎたり、行けるところでワンテンポ遅れたりしていた」と課題を振り返った。

それでも、確かな光が見えたのも事実。この敗戦を糧にできるかどうかは、今後にかかっている。

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