【J1採点&寸評】神戸×G大阪|MOMは攻守両面で輝いた小川。宇佐美はまたも無得点も卓越した技巧で脅威に

神戸――前線でふたりの助っ人がファーストディフェンダーとして機能。

【チーム採点・寸評】
神戸 7
前半から全員でハードワークを続け、小川の今季初ゴールを導く。後半にはレアンドロが追加点を挙げ、J1では2012年以来の快勝!

G大阪 5.5
G大阪らしいポゼッションは見せたものの、ボランチから効果的なパスが出ず。CKから1点は返したが、ACLの疲れが見えた。

【神戸|採点・寸評】
GK
18 キム・スンギュ 6
前半に何度かピンチを迎えたが、的確なポジショニングで難を逃れた。33分の宇佐美のドリブル突破にもすばやく対応し、センタリングを上げさせなかった。終盤、CKから失点したが、及第点のゲーム。

DF
6 高橋峻希 6
G大阪・倉田の仕掛けをケアしながら、タイミングよく攻撃参加。90分を通して豊富な運動量を武器に、右サイドで主導権を握った。小川との連係もよく、効果的なカウンター攻撃で相手の脅威となった。

19 岩波拓也 6
前半は何度か宇佐美に突破を許し、アーリークロスへの対応にも課題が残ったものの失点は許さず。後半はCKから失点を許したが、個人としてほぼ完璧な内容。球際の強さも光り、U-23日本代表へ勢いもつけられた。

39 伊野波雅彦 6
高さのある長沢を相手にしっかり守った前半。12分には正確なロングフィードを小川に通し、あと一歩でゴールというシーンも作った。後半は藤田の正確なFKからヘディングシュートも。攻守で神戸の軸となった。

3 相馬崇人 6
G大阪の阿部や初瀬の攻撃をケアしながら、果敢に左サイドで上下動をくり返した。同サイドの渡邉とのコンビも確立しつつあり、前半も何度か左サイドからチャンスメイク。ドリブルでの仕掛けは今日も光った。

MF
14 藤田直之 6.5
序盤は何度か中盤でボールロストするシーンもあったが、39分のゴールにつながるP・ジュニオールへのキラーパスで一変。後半も守備面はもちろん、巧みなパス交換や正確なプレースキックでリズムを作った。

24 三原雅俊 6
藤田とのダブルボランチでバランサーの役割を果たした。左右にパスを散らしながら、G大阪・遠藤からの縦パスをうまくカバーした。後半は遠藤からボール奪ってショートカウンターを仕掛けるなど輝きを増した。

13 小川慶治朗 7(75分OUT)
激しいプレスとドリブルでの推進力を見せ、右サイドで相手の脅威に。何度もチャンスメイクをし続け、36分には今季初ゴール。後半も立ち上がりから攻め続け、相手DFを翻弄。75分にはお役御免で石津と交代した。

FW
7 ペドロ・ジュニオール 6.5(85分OUT)
G大阪のボランチに対するファーストディフェンダーとして奮起。その一方で、積極的にドリブルで仕掛けて攻撃のリズムを作った。36分には小川のゴールを、58分にはレアンドロのゴールをアシストし勝利に貢献。

11 レアンドロ 6.5
序盤は今野に抑えられるシーンも見られたが、徐々に前線で存在感を出した。特にポストプレーヤーとして前線でタメを作り、神戸のショートカウンターの核に。58分にはペドロからのパスを受けてゴールも決めた。

19 渡邉千真 6
前半から鋭いプレスで相手のミスを誘い、攻撃では左サイドでタメを作る。39分には自らのディフェンスが起点となり、小川のゴールにつなげている。今季初ゴールはお預けも、及第点の出来。

交代出場
MF
9 石津大介 6(75分IN)
小川と交代で75分からピッチへ。2点リードした状態で入り、得意のドリブルで時間をうまく使った。また相手ボランチにも積極的にプレスをかけ、効果的なパスを供給させず。勝利へつながるプレーを見せた。

MF
15 小林成豪 5.5(85分IN)
85分にP・ジュニオールと交代で投入。持ち味の鋭いドリブルで、疲れの見えていたG大阪DF陣をさらに疲れさせた。1点を返された直後の投入で難しい面もあったが、きっちり与えられた仕事をこなした印象。

監督
ネルシーニョ 7
G大阪と同じ4-4-2で臨み、P・ジュニオールとレアンドロを相手ボランチに対するファーストディフェンダー役にすることでゲームを支配。相手に仕事をさせずにペースを掴み、そしてきっちりと結果を出す名将ぶりが出た。

連戦の最後で疲れはピークに。あと一歩が届かず敗戦。

【G大阪|採点・寸評】
GK
1 東口順昭 5
後半開始早々の神戸・藤田の直接FKを軽くセーブするなど安定感はあった。前半の失点シーンも、後半の失点シーンも仕方がない部分はある。だが、チームが苦しい時こそビッグプレーが欲しかった。

DF
35 初瀬 亮 5
神戸の攻撃の起点となった渡邉や相馬の仕掛けをケアしながら、自らも積極的に攻撃参加。精度の高いアーリークロスを前線の長沢に入れるなど輝きを見せたが、なかなか結果には結びつかなかった。

15 今野泰幸 5
CBの右でプレーし、主にレアンドロをマーク。前半の失点前まではほぼ完璧にレアンドロを抑えたが、先制して神戸が勢いを増すと、2列目からの攻撃に対応が遅れる場面も。結果として2失点は残念。

6 金 正也 6
今野とのコンビでCBの左でプレー。主にP・ジュニオールをケアしたが、スピードに乗ったドリブルに翻弄される場面も。だが、84分には宇佐美からのCKを頭で合わせてゴール。一矢報いてみせた。

4 藤春廣輝 6
神戸が誇るスピードスター小川&ペドロを相手に、しっかりディフェンスはできていた。だが、守備に追われた分、思い切りのいい攻撃参加が少なかった。一つ前の倉田が孤立する場面があったのは残念。

MF
27 内田達也 4.5(HT OUT)
前半の失点後は勢いに乗る神戸の攻撃を捕まえきれず。39分には神戸・相馬への不用意なスライディングでイエローカードも。直後には自陣のペナルティエリア付近でボールロストしピンチも招いた。

7 遠藤保仁 6
相手を交わしながら味方とのパス交換で試合のリズムを作るのはさすが。だが、ボランチ内田や右サイドバックの初瀬らと呼吸が合わないシーンも。効果的な縦パスでテンポを変えられなかった。

13 阿部浩之 5(59分OUT)
相馬の激しい守備に遭い、なかなか本来のプレーを出せず。右サイドに流れてパスを受けた宇佐美ともう少し連動できればG大阪の攻撃の幅が広がったかもしれない。59分にパトリックと交代した。

11 倉田 秋 6(78分OUT)
速いカウンターを仕掛ける小川をしっかりケアしつつ、積極的に前線へドリブルでボールを運び続けた。だが、なかなか神戸の守備を崩し切るまでにはいたらず。78分にはアデミウソンと交代した。

FW
39 宇佐美貴史 6.5
卓越したボールコントロールでこの試合でも攻撃の起点に。何度もペナルティエリアに侵入し神戸ゴールを脅かし続けた。84分には左CKのキッカーとして金正也のゴールをお膳立て。あとは自身のゴールが欲しかった。

20 長沢 駿 5.5
前線のターゲットマンとして存在感を示したが、初瀬のアーリークロスからのチャンスなどを決めきれず。後半はパトリックとのツインタワーでパワープレーを仕掛けたが神戸ゴールをこじ開けられなかった。

交代出場
MF
21 井手口陽介 5.5(HT IN)
後半から内田に変わってピッチへ。攻撃のテンポに変化を与えるための起用で、遠藤よりも少し前目のポジションから攻撃を組み立てた。だが、なかなか神戸の守備を崩し切るまでには至らず。及第点とは言えない。

FW
29 パトリック 5(59分IN)
得点を期待されて59分に阿部と交代でピッチへ。初瀬からのダイアゴナルなパスを中央で受けてシュートチャンスがあったものの、長沢へのパスを選択し、結果的にボールロスト。もう少し強引さがあっても良かった。

FW
9 アデミウソン 5(78分IN)
倉田と交代で78分からピッチへ。左サイドハーフでプレーし、持ち味のドリブルやサイドチェンジなどで攻撃のリズムに変化を出した。だが、パワープレーに転じた戦術では特長を生かせず。輝けないまま試合を終えた。

監督
長谷川健太 5.5
連戦の最終戦で選手に疲れが見えるなか、選手たちを鼓舞し続けた。攻撃のテンポを変えるためにボランチを内田から井出口に交代させるなど手は尽くしたが、このゲームに関しては神戸の気迫に圧された。

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