G大阪新スタ初勝利、東北出身今野が故郷に捧ぐ1発

<J1:G大阪2-1大宮>◇第1ステージ第3節◇11日◇吹田ス

G大阪が新スタジアムの公式戦3試合目で初勝利を挙げた。仙台市出身のG大阪DF今野泰幸(33)の先制点などで首位大宮を2-1で退け、連勝。東日本大震災から5年。クラブとして初めて「3・11」に戦い、今野は大阪から故郷東北へ勇気を送った。

故郷にささげる1発だった。後半4分、今野は宇佐美の左CKを頭で合わせ、地面へたたきつけた。「ボールが良かったので、信じて打った」。仙台市生まれ で、高校まで東北で育った。震災当時はJ2だった東京に所属し、アウェー岡山戦へ遠征に向かう羽田空港にいた。東京で感じた揺れと、東北での現実の差は想 像以上。記憶は消えない。

「東北出身として思うことはたくさんある。勇気を与えられるのか。僕のプレーは地味だけど泥臭くやれる。そういうところを見て欲しかった」。試合前には 両軍が円をつくって、黙とうした。長谷川監督は「気持ちを出して戦ってくれた」。MF遠藤も「東北出身の選手が取れたのは良かった」と、心から喜んだ。

記念すべき新本拠地の公式戦初勝利で2連勝とした。大阪から被災地へ送った白星。忘れられない、忘れてはいけない日に希望の光を照らした。

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