新生・浦和レッズ「光明と死角」(2)10人で2得点の浦和を沈めたG大阪の股抜き「なぜ失点したのか?」勝負を分けたペナルティエリア内の絶対原則
前半、狙い通りの形で先制しながらも、小競り合いから退場者を出したことで10人での戦いを強いられ、1-1の同点に追いつかれて折り返した浦和レッズ。数的不利の中で勝ち越しを狙う浦和と、ホームで数的優位を活かしたいガンバ大阪。
後半は互いの意地がぶつかり合うゴールラッシュとなるが、勝負を分けたのは極限状態での「守備の基本動作」の差だった。
前半に引き続き、戦術分析のスペシャリスト・川本梅花氏がG大阪VS浦和の一戦を考察し、勝敗を分けた決定的なシーンを戦術的視点から解剖する。DAZNのハイライト映像と照らし合わせながら、その深い戦術の駆け引きを読み進めてほしい。 ■【動画】「なんで不燃ゴミ扱いw」「トロフィーをそんなゴミみたいに…」スペイン代表DFククレジャのW杯優勝トロフィーのまさかの“持ち運び方”■
■ 山下の動きに釣られた浦和。基本を逸脱した守備の代償
【51分のデニス・ヒュメットの逆転弾】
ペナルティエリアでヒュメットをフリーでボールを持たせてはいけない。浦和の選手が2人、ペナルティエリア内に降りてきたことがヒュメットをフリーにした原因となっている。
なぜ浦和の2人の選手がペナルティエリア内に降りてしまったのか。それはG大阪の山下諒也がペナルティマーク付近に移動してきたので、浦和の選手は山下の動きが気になって降りてきたのである。しかし、1人は降りてこなければ、ヒュメットをマークできたはずである。山下の動きに釣られてしまったというのが正しい解釈だろう。
【56分のヒュメットのシュート】
ジェバリからボール受けたヒュメットがグラウンダーのシュートを放つ。工藤孝太がプレッシャーをかけにいく。ここでも工藤は足を広げて防ごうとする。股を抜いてシュートを打たれる。
ジェバリの同点弾のところでも言及したが、絶対に足を広げて守備をしてはならない。外国人選手は、守備側の動きをみてシュートを打つので、足を広げた守備をしたら、必ず股を抜いてシュートを打ってくる。
■ 10人での猛反撃と、勝敗を分けた「股抜き」の必然
この後、78分に渡邊凌磨のクロスに金子拓郎がダイビングヘッドを決めて再び同点になる。さらに、80分には渡邊のマイナスのパスを南野遥海がゴールに叩き込む。しかし、途中出場のウェルトンが同点ゴールを決めて3-3になる。このシーンでも守備側の問題となるシーンがあった。
何度も指摘していることだが、浦和の守備側の人数は足りている。しかし、得点を許してしまう。ウェルトンがシュートを打つ場面でも、浦和のCBの宮本優太が足を広げてケアしようとする。ウェルトンは広げられた足の股を抜いてゴールを決める。そして86分、最後にゲームを決めたのは、途中出場の植中朝日のヘディングである。
浦和の守備陣が基本動作をしないで、足を広げて守備をしている。G大阪の得点は、浦和が守備の人数をかけていても、ディフェンダーが足を広げてケアしに行ったところを、ことごとく股抜きでゴールを決められている。基本から外れた動きをすれば、必ずマイナスの作用をもたらしてしまう。
1人少ない状況で、果敢に戦う姿勢を見せた浦和レッズは、攻撃に関しては光が見えるが、守備に関してはテコ入れが必要だ。次節のサンフレッチェ広島戦では、今回と同じメンバーを組んでくるのか、それともメンバーを変えてくるのか、監督の采配に注目したい。




