Jリーグ新時代・王者への誓い㊦ G大阪・水谷尚人社長、売り上げ「前年を超えていきたい」「どんな1年になるかワクワク」(インタビュー後編)
「秋春制」に移行する「明治安田Jリーグ」は7日に開幕する。3回にわたり注目選手やスタッフにインタビューする新シーズン企画の最終回は、クラブ創設35周年を迎えるG大阪の水谷尚人社長(59)が登場。明神智和新監督(48)への期待とともに、「タイトル獲得」と「史上最高売り上げ」の2大目標を掲げた。(取材構成・邨田直人)
――シーズン移行で8月開幕となり、競技面の変化をどう想定している 「パフォーマンスのデータは出ていて、体調を整えてきて始まる暑さから涼しくなっていくというのと、疲れてきて暑さが来るのじゃ全然違う。当時Jリーグにいたときの理事会では小野伸二や内田篤人がそれを言っていた。元選手が暑さについてヨーロッパから帰ってきて『えっ』となったのはそこ(ピークの違い)だと。もうひとつカレンダーで言うと、今までは12月の頭が最終盤で、11月に国際Aマッチが入る。リーグ戦が佳境の時に2週間中断となっていたが、それが無くなるのは大きいと思う。世界のカレンダーに合わせて、国際的な休みも含めて全部スムーズに合ってくるのは大きい」
――売り上げの部分では、2025年に過去最高の88億を記録した 「前年を超えていきたいということは常に思っている。中小企業だから、確かに市場調査して手を打って数字を作る部分もあるけれど、やっぱり右肩上がりでずっといこうというのは株式会社として、我々としてやらなくちゃいけない」
――2025年シーズンは平均観客数が初めて3万人を突破した 「でも3万7000人は入るから(笑)。まだ余地がある、という欲はもっと欲しいと思っている。サポーターの人も観客数について思っていたのかなと感じたのは、2025年の最終節で今年の入場者数を出して、平均3万人を超えた時に(スタンドが)盛り上がったこと。それくらい気にされていたと思えたから、いい意味でインパクトを与えられたのかなと思う」
――今年はクラブ創設35周年
「結婚35周年は珊瑚婚式(さんごこんしき)と言う。サンゴ礁は積み重なって積み重なって出来上がる。人間でいうと35歳は挑戦と成熟の境目で、ここから先は成熟なんだと。だけどガンバは挑戦を続けましょうと伝えたい」
――マスコット「モフレム」が活躍
「貢献度はすごく高い。グッズは売り上げだけじゃなくて、試合がない時もそのグッズを持っていて、家に置いてあることによってガンバを思い出してくれるものだと思っている。ガンバとの繋がりを表しているわけで、そういう意味でモフレムは抜群。どうしてもグッズは作る原価と人件費がかかっている分だけ利益率が低いと言われるけれど、ある意味は絶対にある。モフレムがいるから今日もガンバを思い出す、そうやって365日思い出すことになるから」
――サステナブルについても積極的に発信している。取り組みの意義は
「ひとつ大きいのは、サッカークラブがやることがメッセージになるということ。ガンバ大阪がやっているとスポンサーの方々と一緒にやることになって、そうして広がっていく。もうひとつサッカーに関わる理由として、ここ数年で雷や大雨で中止になった試合の数が劇的に増えている。その要因は海水の水温上昇で、だから温暖化に対する取り組みは絶対にやらなくちゃいけない。中止でサッカーの試合ができない状態を我々が放っておくと、子供たちがサッカーできなくなってしまう。それは我々の犯罪だろうということ。利益の話ではなく、会社を挙げてやらないといけないと自分が発信していかないといけない」
――シーズンの抱負を
「どんな1年になるかすごくワクワクしている。体制は急に変わったが選手たちは前向きで社員もすごく働く。サポーターやスポンサーの方と会っても前向きな言葉を言ってくれる。それに応えるにはタイトルだと思うし、そこに向けて明るく走り続けるしかない。何が起こるか分からないので、何が起きても動じないで過ごしていきたい」
■水谷 尚人(みずたに・なおひと)




