Jリーグ新時代・王者への誓い㊦ G大阪・水谷尚人社長、タイトル「全部取ってもいい。そうなれば最高」新シーズンへ決意(インタビュー前編)
「秋春制」に移行する「明治安田Jリーグ」は7日に開幕する。3回にわたり注目選手やスタッフにインタビューする新シーズン企画の最終回は、クラブ創設35周年を迎えるG大阪の水谷尚人社長(59)が登場。明神智和新監督(48)への期待とともに、「タイトル獲得」と「史上最高売り上げ」の2大目標を掲げた。(取材構成・邨田直人)
――新シーズンに向け、初めてオーストリアでキャンプを実施した 「昨年ビッシング前監督ら6人の監督候補とドイツで面談をした。その時に強化や現場のスタッフを連れて8カ所ほど候補地を回って決めた」
――重視した条件は 「練習試合のしやすさと、ホテルとグラウンドの近さ、食事はすごく気にした。候補だった8カ所や今回練習試合に行った先は天然芝のグラウンドがあり、片面に簡易なスタンドがついていて、バーもある。そこにはサッカークラブがこの街の軸になっている光景が浮かんだ。その空間に肌で触れることは財産だと思った」
――練習試合で普段対戦しないチームと対戦した 「知らない相手と試合をすると自分で見て考えて行動しなくちゃいけない。サッカーの原点はそこにあるとずっと思っていたし、そういう文化が少しでも感じられると期待した。キャンプ期間の約1カ月で近辺に180チームくらい集まっていたと聞いている」
――オーストリアではJリーグの国際フォーラムに出席した 「欧州各地から50クラブくらい参加していた。最初に感じたのは、フォーラムの前に15人くらいのランチ会があって、欧州のクラブは横でちゃんと繋がっていて、国を跨いでも普通に会話しているということ。その中でサッカーのトレンドが語られるし、選手のことも語られているとすると、日常的にガンバの人間がそこにいる状態にしたいと思った。全員でサッカーを大切にしてサッカー中心の生活をしている環境がそこにあって、そういうところに常にいないといけないという感覚がすごく沸いた」
――ビッシング監督が電撃退任し、明神監督が就任した
「リスクは元々あったが、本当にタイミングが早いなとは思った。でも自分はリスクがかかる環境にいたことが多い人間。チャンスにしなくてはいけないとも思った。社員にも『リスクを抱えたときに見えないチャンスが生まれてくる』ということを話した」
――今回の件を受けてクラブの方針としては
「規模と魅力を高めていきたい。契約を細分化していく研究は続けなければならないけれど、金銭を積まれていったときにどこまで耐えるかと言われたら難しい。ここで指揮を取りたいと一流の監督が思う魅力あるクラブにならないといけない。例えば条件に関係なく、クロップが今ここで指揮を取りたいか?金銭がついてくる魅力も必要だけど、そちらが前提だと厳しい。でもガンバ大阪で指揮を執って、例えばクラブワールドカップで優勝するチャンスが見えていたら来る可能性は上がると思う」
――明神監督については
「会見で『自信がなかったらここに座っていません』と言うのを聞いて『こいつかっこいいな』と思って見ていた。誠実で選手はついていくと思えた」
――就任の決め手は
「現地の雰囲気が一番大切だというところでその雰囲気が良かったことと、本人にどう思っているか聞いたときに『常に監督になれる準備はしている』という人だったから。キャンプをオーストリアにして良かったと思う。イェンス(ビッシング監督)が急にいなくなって沖縄でやっていたら、いろいろな人が寄ってくるから」
――チームは昨季、ACL2を制覇してアジアで経験値を積んだ
「アジアはレベル云々ではなく、時差も練習場も食事も違う。選手たちは本当によくやったと思う。それを支えるスタッフや広報も含めてみんな良く働いて、いい経験になったと思う。だからこそエリート(ACLE)でやりたいし、勝ちたい」
――タイトル獲得を目標に据えている
「別に全部取ってもいい。そうすれば60試合以上することになるらしいし、そうなれば最高。選手もACL2で10個目のタイトルを取れて、11個目を早く取りたい欲望が上がっているように感じる。アジアの過酷な環境の中でやってきたことも手応えや力になっているんじゃないか」
■水谷 尚人(みずたに・なおひと)




