【ACL2プレビュー|G大阪】我慢強い守備が上位進出のカギに|AFCチャンピオンズリーグ2
かつてのフォーマットとなるAFCチャンピオンズリーグで2008年にアジア制覇を成し遂げたガンバ大阪が、カテゴリーは違えど、17年ぶりのアジア制覇を目指してAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)に挑む。
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本来、天皇杯優勝チームが出場するが、J1王者となったヴィッセル神戸が天皇杯を制したため、繰り上がる形でアジアの挑戦権を獲得した。2021年以来となるアジアの舞台でどんなパフォーマンスを見せるか注目したい。
ダニエル・ポヤトス監督体制3年目となるG大阪は近年、浮き沈みの激しいシーズンを過ごしてきた。ポヤトス監督が就任した2023年は、いい時期と悪い時期を繰り返す形で16位フィニッシュ。降格した2012年に次ぐ低い順位に終わってしまった。
しかし、昨季は新加入の中谷進之介を中心とした硬い守備をベースに成績が向上。新戦力がうまくフィットしたことに加え、キャプテンの宇佐美貴史も好調を維持し、シーズン中盤には首位争いの一角に加わることになった。結局、中盤戦以降は勝ち負けを繰り返す中で、あと一歩、頂点には届かずに4位でシーズンを終えたが、前年度と比べると大きくジャンプアップする1年に。天皇杯も神戸に競り負け準優勝に終わったものの、そこまで勝ち進んだことでACL2への道を切り開くに至った。
チーム状況は上向きに
さらなる成績向上が期待された今季は、序盤戦こそいいスタートを切ることができたが、中盤戦に入る前あたりから勝ったり負けたりと安定感を欠く時期が続くことに。なかなか勝ち切れない試合も多く、中位以下に沈んだ。
だが、8月の後半から少しずつ状況が好転している。昨季と打って変わって安定感を欠く守備にはいまだ課題が多いが、2試合連続で撃ち合いを制すなど攻撃面に変化が見られて3連勝を記録。ACL2が始まろうとしている中で、デニス・ヒュメットや山下諒也といった攻撃陣に結果が出てきているのは好材料だ。この状況を維持しながら、JリーグとACL2の戦いに臨んでいきたい。
今後の戦いを踏まえると、改善していきたいのは守備面と言える。昨季はリーグ2位の35失点にとどめたが、今季は30試合を終えた時点ですでに44失点を喫するなど、失点の多さが結果に直結している。アジアの舞台では破壊力あるアタッカー陣を要するクラブが増えてくるため、いかにチームとして我慢強い守備を徹底することができるかがポイントになるだろう。最終ラインの大黒柱である中谷は、うまく周りをまとめながらゴール前に防波堤を築くことでチームを牽引していきたい。
平坦ではない優勝までの道のり
ACL2はAFCチャンピオンズリーグエリートとは異なり、グループステージ制となる。グループFに入ったG大阪は、元ベガルタ仙台FWラファエルソンが在籍するベトナム王者・ナムディン、4年ぶりとなるアジアの舞台で初勝利を目指すタイのラーチャブリー、昨年の香港FAカップ覇者である東方と同組に。中国や韓国の強敵とは別組となったが、曲者ぞろいのグループに入った印象だ。上位2クラブがラウンド16に進むことを考えると、ホーム&アウェイでしっかりと勝ち点を積み上げていく必要があるだろう。
その先の決勝トーナメントでは強敵が待つ。昨季までG大阪に在籍していたダワンを要する中国の北京国安や7月に横浜F・マリノスからアンデルソン・ロペスが加わったシンガポールのライオン・シティ・セーラーズ、Jリーグで活躍した実績のあるチャナティップや野津田岳人が在籍するタイのパトゥム・ユナイテッドといったチームに加え、西地区ではクリスティアーノ・ロナウドらが在籍するアル・ナスルが勝ち上がってくる可能性がある。優勝までの道のりにはいくつもの困難が待ち受けているだろう。
かつてACLを制した経験のあるG大阪は、この難しい大会をどう勝ち進んでいくのか。アジア制覇へ向けた歩みが今、始まる。



