主審は取らず…元日本代表「僕の感覚としてはPK」 判定舞台裏「こういうの見たい!」
御厨貴文主審が判断「ノーファウルでいく。この後の接触は仕方がない」
Jリーグ公式YouTubeチャンネルは、シンレポの12回目をアップした。8月30日に行われたJ1リーグ第28節のサンフレッチェ広島対ガンバ大阪の開始1分で、広島のMF中村草太がG大阪のGK一森純と接触したシーンについて、主審とビデオアシスタントレフェリー(VAR)のやり取りを公開。ファンからは「毎節こういうの見たい!」との声があがっている。
【実際の映像】「絶対PKだと」「レフェリーの独断やんけ」…複雑シーンで公開された“やり取り”
開始早々にCKを得た広島は、MF東俊希が蹴ったボールをDF荒木隼人がヘッドで折り返す。このボールをG大阪DF中谷進之介がヘッドでクリアーしようとしたが、ボールを前に弾けず。ボールがDFとGK一森の間に落ちたところを中村が反応して先にボールに触った。中村がボールに触れた後、一森が中村と接触。中村がエリア内で倒れたが、御厨貴文主審は副審がフラッグを上げていたことでオフサイドを取った。
ここでVARがPKの可能性があったと介入する。まず確認されたのはオフサイドの有無で、荒木がヘディングしていた際にはDFがゴール前に残っていたため、オフサイドはないことが確認された。さらにその後は、G大阪の中谷がヘディングしていたため、中村がオフサイドでないことがチェックされている。続けて一森と中村の接触の場面がPKにつながるファウルかという確認が行われ、VARは主審にオンフィールドレビューを要求した。
この接触シーンについて元日本代表DF太田宏介氏は「僕の感覚としてはPKじゃないかなと思います。中村選手が(ボールに)先に触って、一森選手は(ボールに)触っていない。っていうタイミングで、そのあとに接触がある。中村選手が先に触っているのでファウルになるんじゃないかな」と、自身の見解を語った。
「PKである可能性が高い」とVARに助言を受け、オンフィールドレビューを求められた御厨主審は、VARと交信しながらオフサイドがないことを確認。その後、一森がボールに触れていないことを確認し、一森と中村が接触したポイントを確認。そして、「ノーファウルでいく。この後の接触は仕方がない」とVARに伝え、オフサイドではなくドロップボールでの試合再開に至った。
ファンからは「こういうの見るたびに審判へのリスペクトが高まる」「審判さんマジでカッコいい」といった声や、一方で「『仕方ない』で片付けられて恐ろしい」「結果見るまで絶対PKだと思ってた」「OFRまで行ってPKにならんかったの不思議やったんやけどレフェリーの独断やんけ」と、あらためてPKの判定になるべきだったと考える声も見られた。



