「PKの可能性が高い」VAR助言も…主審は「ノーファウル」 複雑シーンのやり取り公開
御厨貴文主審が判断「ノーファウルでいく。この後の接触は仕方がない」
Jリーグ公式YouTubeチャンネルは9月5日にシンレポの12回目をアップ。8月30日に行われたJ1リーグ第28節のサンフレッチェ広島対ガンバ大阪の開始1分で、広島のMF中村草太がG大阪のGK一森純と接触したシーンについて、主審とビデオアシスタントレフェリー(VAR)のやり取りを公開した。
【実際の映像】「PKの可能性が高い」「ノーファウル」…複雑シーンで公開された“やり取り”
開始早々にCKを得た広島は、MF東俊希が蹴ったボールをDF荒木隼人がヘッドで折り返す。このボールをG大阪DF中谷進之介がヘッドでクリアーしようとしたが、ボールを前に弾けず。ボールがDFとGK一森の間に落ちたところを中村が反応して先にボールに触った。中村がボールに触れた後、一森が中村と接触。中村がエリア内で倒れたが、御厨貴文主審は副審がフラッグを上げていたことでオフサイドを取った。
ここでVARがPKの可能性があったと介入する。まず確認されたのはオフサイドの有無で、荒木がヘディングしていた際にはDFがゴール前に残っていたため、オフサイドはないことが確認された。さらにその後は、G大阪の中谷がヘディングしていたため、中村がオフサイドでないことがチェックされている。続けて一森と中村の接触の場面がPKにつながるファウルかという確認が行われ、VARは主審にオンフィールドレビューを要求した。
「PKである可能性が高い」とVARに助言を受け、オンフィールドレビューを求められた御厨主審は、VARと交信しながらオフサイドがないことを確認。その後、一森がボールに触れていないことを確認し、一森と中村が接触したポイントを確認。そして、「ノーファウルでいく。この後の接触は仕方がない」とVARに伝え、オフサイドではなくドロップボールでの試合再開に至った。
このやり取りを見た元日本代表DF太田宏介氏は「コミュニケーションもすごく円滑でしたし、最後の御厨さんの『この接触は仕方ない』という自信みなぎるコメントが、あらためて『そうなのね。これは受け入れるしかないね』と思わせてくれる力強いコメントだったと感じました」と、映像確認後、自信を持って判定を下した御厨主審についてコメントしていた。



