今季ワーストとなる3連敗で迎えた横浜FC戦は、相手よりも不利な中2日の日程に加え、安部も出場停止という逆風の中で開催された。相手に先手を取られる苦しいスタートとなったが、前線で点取り屋としても存在感を見せ始めているヒュメットが同点ゴールを含めて3得点全てに絡む活躍を見せただけでなく、エース宇佐美も2得点。ガンバを信じるサポーターの前で嫌な流れを断ち切ったが「勝利というのはフットボールにおいての薬だなと感じる。チームに安定性をもたらした」とポヤトス監督は総力戦で手にした1勝の重みを口にした。

ただ、連敗を止めたことに満足するガンバではない。横浜FC戦での再デビューを勝利で飾った初瀬は言い切った。「ここから怒涛の追い上げをしたい」。
9月からは初参戦となるACL2との並行日程に挑むガンバだが、弾みをつける上でも湘南戦は勝利のみが必要な一戦だ。
Jリーグに簡単な戦いは一切存在しないが、とりわけ難しいのは残留争いを強いられている下位との戦い。リーグ戦で11試合勝利がない湘南は前節、岡山に0-1で敗れて降格圏となる18位に転落したが「湘南は難しいシーズンになっているが、逆に言えば割り切って思い切りのあるプレーをゴール前でやってくる」と満田は警戒を口にする。

8月に入って、5バックを採用する相手との対戦は5試合目だが、町田戦と横浜FC戦では引いた相手に対して再三決定機を演出。攻撃の迫力が増しつつあるのは事実だが、不用意な失点は禁物だ。「湘南のスタジアムは独特の雰囲気で難しいスタジアム。先制して試合を優位に進められるかどうかが鍵になる」と山下も警戒を口にする。
湘南はチーム得点王の鈴木章斗が累積警告による出場停止に加えて、前回対戦時から福田や鈴木淳之介、畑、キム ミンテらが移籍しているが、ガンバのレジェンド、山口監督が率いるスタイルは明確。「しっかりしたチームでいい形でサッカーを展開している。だからこそ、次の試合は相手の流れに持って行かせないところが攻略のポイントになる」とポヤトス監督もリスペクトを示しつつ、警戒を口にする。

前節はホームのサポーターの前で意地を見せたガンバだが、湘南も4月6日の名古屋戦以来、ホームでの勝利から遠ざかるだけに死に物狂いで勝ちに来るはずだ。互いに戦術的な狙いがあるのは言うまでもないが、タフな湘南に対して大前提となるのが攻守両面でのハードワークと局地戦での強さ。「全員で攻めて全員で守ることが大事。コンパクトに出来ている時はいい攻撃と守備ができている」と満田も話す。

鈴木章斗は不在でも、4得点を決めているルイス フェリッピや4アシスト中の小野瀬、そして右ワイドの鈴木雄斗ら警戒すべき選手が揃っている湘南だが、ガンバも今はベンチ入りが熾烈なほど選手層は厚みを増している。
「連敗を抜け出したことが一番大きいが、雰囲気も変わることなく皆が危機感を持ってやっている」（山下）。勝ち続ける流れを作り出すためにも敵地で必勝あるのみだ。

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