中村敬斗「フランスで2桁取れたのは自信になった」満身創痍だった残留争い、思い出の場所で今季最終戦へ

日本代表MF中村敬斗が9日の北中米W杯アジア最終予選インドネシア戦の前日練習後、報道陣の取材に応じ、自身初の欧州5大リーグ2桁得点で個人として大きな飛躍を果たしたスタッド・ランスでの日々を振り返った。

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中村は今季のリーグアンで32試合に出場し、11ゴールを記録。「個人として結果が残せた年だったし、フランスで2桁取れたのでそれは自信になった」。昨季はMF南野拓実がモナコで日本人歴代最多の9ゴールを記録しており、「南野選手が9点で日本人の歴代最多得点だったので、得点を重ねるにつれて超えたい目標だった。11点で超えられたのはすごく嬉しい」と刺激になっていたという。

2022-23シーズンにはオーストリアの強豪LASKリンツで31試合14得点を記録し、その結果が第2次森保ジャパン初陣における日本代表入りを後押ししたが、「オーストリアで2桁取っても世間的にはまだ認められていない感じがあった」と中村。「5大リーグのフランスで2桁取れればやっと認めてもらえるかなというのが自分の中にあった。2シーズン目で2桁取れたので、みんな他のチームだったり、徐々に知ってくれてきたのかなと思う」と手応えを語った。

その一方、チームとしてはクープ・ドゥ・フランス決勝進出という快挙を演じながら、リーグ戦ではリーグドゥ(2部)降格という悲劇的な結末を迎えた。

中村が挙げた要因は冬の主力流出。「冬に大事な選手をウォルバーハンプトンに売ってしまって、CBとボランチという大事なポジションだったのでそれで完全に崩れてしまった」。記録的な移籍金収入を獲得したDFエマニュエル・アグバドゥ、MFマーシャル・ムネツィの放出だったが、シーズンを失う結果になったことを悔やんだ。

また中村自身、降格プレーオフ(5月21日、29日)とカップ戦決勝(24日)が続いた異例のシーズン終盤戦はケガを押してのプレーだったことも明かした。

「足を痛めていた部分もあるし、プレーオフ決勝も無理やり出ていた」。残留争いのレギュラーシーズンでは終盤まで残留圏に立っていたことで「プレーオフに回るのは想像していなかった」ため、無理にでもピッチに立っていたというが、まさかのラスト3連敗とライバルクラブの劇的勝利という「衝撃というか、考えられなかった」(中村)結果により、満身創痍のまま連戦を戦うことを強いられた。

「カップ戦決勝にだけ備えて1週間チームのリハビリだけやっていて、徐々に復帰していくつもりだったけど、急遽プレーオフに回ったので水曜日に試合をすることになって、無理やり戻って全然できる状態になかったけど、(伊東)純也くんもケガをしていたし、もう一人、ママドゥ・ジャコンもプレーできないということで無理して出るかということで。全然動けなかった」

120分間出場したプレーオフ第2戦では「徐々に良くなって痛み止めでなんとかできるくらいだった」といい、代表合流後は「良くなっている」と無事を強調したが、万全からはほど遠い状況でクラブのために奮闘していたようだ。

来季のことについては「残留するのか、移籍はもちろん可能性があると思うけど……」と多くを語らなかったが、まずは目の前に迫る10日のインドネシア戦に照準を合わせた中村。G大阪時代を過ごした思い出の場所・パナソニックスタジアム吹田での一戦に向けて「もちろん試合に出たいし、またパナスタでゴールを取るイメージをして頑張ります」と意気込んだ。

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