17歳の中村敬斗が「1番上手い」 日本人初の5戦連発…ブラジル人監督が見出した“嗅覚”
中村敬斗がフランスで大車輪の活躍…日本人初の五大リーグ5戦連発
フランス1部スタッド・ランスの日本代表MF中村敬斗が飛ぶ鳥を落とす勢いだ。日本人初の欧州主要リーグで5試合連続ゴール中。森保ジャパンでも13戦8発と驚異の「決定力」を誇る。10月シリーズでも切り裂くドリブルの個人技からオウンゴールを誘発してドロー決着に貢献。その嗅覚はどのように磨かれたのか。ガンバ大阪時代の恩師でもある日本サッカー協会の宮本恒靖会長が“ヒント”を明かした。
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シュートの上手さ、緩急使い分けたタッチでのドリブル、ゴール前でのポジショニング、そのテクニックに多くの人が虜になっているはず。中村は所属のランスで現在5戦連発中。前節のオセール戦(1-2)では7戦ぶりの敗戦となったが、6位と好調のチームを牽引している。
愛弟子の姿はどう映っているのか。10月22日に東京・霞が関で行われた国税庁の広報大使任命式に出席した宮本会長に「中村選手好調ですね」と聞いた。「レビーもFWで使っていたし、得点能力を認めていた。嗅覚があるよね」。その言葉にヒントが詰まっていた。
MF香川真司やMF清武弘嗣ら若手の育成に長けたブラジル人のレビー・クルピ元監督。そのクルピ氏がG大阪の監督に就任した2018年に当時高校2年生で“飛び級”加入したのが中村だった。街クラブの三菱養和SCの注目選手でJ1複数クラブが獲得を狙っていた。争奪戦を制したのがG大阪。中村は当時ブラジルのサッカーに共感を覚え「クルピ監督だったから、G大阪に来た」と話していたほどだ。
開幕戦で途中からデビューを果たすと、第3節の川崎フロンターレ戦で初先発。ルヴァンカップの浦和戦では60m独走からプロ初ゴールを挙げた。当時の登録はFWで、ファン・ウィジョや長沢駿、アデミウソンらとしのぎを削っていた。17歳だった中村をクルピ監督は「ガンバでシュートが1番上手い」と褒めちぎり、信頼していた。
その後、夏にはクルピ監督が成績不振で解任となり、後任を宮本監督が務めた。宮本監督のもとでイチから鍛え上げられた中村。フィジカルやヘディングなど、毎日のように居残り練習をして叩き込まれた。クルピ監督が太鼓判を押していた“点取り屋の才能”に磨きがかかり、6年後には欧州舞台で、日本代表として、大きく花を咲かすことになる。
さまざまな転機はあるが、17歳の時に下したG大阪行きの決断は間違っていなかったはず。5戦連発の偉業達成に中村敬斗の歴史を見た気がした。