半田陸への思いを語る内野貴史「陸の分までってありきたりな言い方だけど…」追加招集でパリ五輪へ

一度はメンバーから落選した男が、チームを助けるためにやってきた。U-23日本代表はDF半田陸(G大阪)が離脱したことで、DF内野貴史(デュッセルドルフ)をバックアップメンバーとして追加招集した。「(陸から)本当に頼むよという一言をもらった。自分は任せてと」(内野)。仲間の思いを胸に、パリオリンピックの舞台に上がった。

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バックアップメンバー4人を含めた22人をほかの選手と入れ替える場合、初戦の24時間前がタイムリミットになる。半田は22日の紅白戦で負傷。24日午後7時開始の初戦まで期限が迫るなか、大岩剛監督は半田と内野の入れ替えを決断した。

「距離や(内野の)コンディション、今やっていることやチームにおける立ち位置、そういうものも含めて、もう一回彼に来てほしいと要請した。快く彼が行きますと返事をくれた。この試合で彼自身が力を発揮できるような準備をしたい」(大岩監督)

寝ていた内野に電話がかかってきたのは、試合前日の朝だったという。大岩監督から言われた言葉は「行けるか」。内野は「行きます」と答えた。「そのまま朝起きて、準備して飛行機に乗りました」。内野の所属クラブは五輪参加に理解。ドイツからフランスに渡った。

チーム発足メンバーでもある半田を思う。

「陸はこの活動でずっと呼ばれていた。最後に懸ける思いも強かったと思う。陸の悔しい気持ちも理解できる。陸の分までってありきたりな言い方だけど、陸の思いも背負ってやらないといけない」

パリ五輪行きが懸かった4月~5月のU23アジアカップでは副キャプテン4人の一角を務めた。しかしリーダーシップ性や両SBをできるポリバレント性を兼ね備えながらも、18人という枠のパリ五輪メンバーからは漏れた。「選手は評価される側。自分がそこに値していないから落ちたというのは理解している」。気持ちを整えながら切り替えて、再び日の丸を背負った。

24日の初戦・パラグアイ戦前、バックアップメンバーながらピッチでウォーミングアップに励み、準備を整えた。「この機会をもらって今後後悔はしたくない。この機会で何かを守ろうとするのではなく、当たって砕けるくらいの気持ちでチャレンジャー精神でやっていけたら」。改めて日の丸を背負い、日本のために戦うつもりだ。

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