日本代表OB「聞けて良かった」 主審とVAR間の「サイレントチェック」の仕組みは?
4月20日の浦和×G大阪でのハンドに言及
スポーツチャンネル「DAZN」による、今シーズンの審判に関する新番組「Jリーグ審判レポート」が配信され、4月20日に行われたJ1リーグ第9節、浦和レッズとガンバ大阪の試合で起こった場面でハンドの反則を採用するかどうかについて取り上げられた。
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後半アディショナルタイム、1点を追う浦和が最終ラインからロングボールを入れると浦和FWチアゴ・サンタナとG大阪のDF三浦玄太がジャンプして競り合う。しかしボールは両者とも触れることなく後方に流れ、ワンバウンドしてG大阪のMF岸本武流の右腕に接触。ここで西村雄一レフェリーはハンドの反則としなかった。それを受け、浦和の選手たちは西村レフェリーにハンドを主張するという場面だった。
現役時代にJ1で数多くの試合を担当した日本サッカー協会(JFA)審判マネジャーの村上伸次氏は、「手に当たったのは事実」としたうえで、「クロスボールが上がった時に浦和の選手とガンバの選手が競り合っている。そのうしろにいるガンバの選手(岸本)は、前にいるヘディングの競り合いでボールに触れるんじゃないかという予測が入っていると思う。それが2人の間からボールが抜けてきて、手に当たってしまった。予期せぬところからボールが出てきて手に当たってしまった。自然な位置に手があるところに当たったので、ノーハンドでいいと思う」と話した。
そのうえで、村上マネジャーは「1つ付け加えるとするならば」として「必ずこれはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)のチェックが入っている。サイレントチェックと言ってレフェリーと交信しなくても、ハンドの可能性でチェックしている」と話す。そして「短時間の中で主審の西村さんとVARの間では、西村さんがどういう判断でノーハンドなのかを伝えている。それにVARがきちんと対応してノーハンドになっている」と話した。
ゲスト出演した元日本代表DF坪井慶介氏は、「そこは選手もたぶん分かっていると思うけど、なぜ介入しないのと思っている選手もいるかもしれない。これは聞けて良かったと思う」として、「なんとなく選手はレフェリーが(VARチェックの)こういう仕草をしないと、なんで? VARはちゃんとやっているの? と若い選手なんかは思うかもしれない」と話した。
また、村上マネジャーは見極めのポイントとして「不自然な位置に手があるかどうかと、ボールに手が向かっているか。この場合だと、ボールが(手に向かってきて)当たった。そういうことは考慮してもらえるといいと思う。また、テレビ画面だと二次元で見るけれども、レフェリーは奥行きも感じながら判定しないといけないので難しい」とコメントしていた。