葛藤のU23アジア杯経て帰国後即出場…G大阪でフルタイム&無失点の奮闘続くDF半田陸「今はそこだけに集中してやっていきたい」
[5.15 J1第14節 東京V 0-0 G大阪 味スタ]
パリ五輪アジア最終予選のAFC U23アジアカップでわずか2試合の出場にとどまったU-23日本代表DF半田陸が、所属先のガンバ大阪で奮闘を続けている。カタールでの大会からわずか中1.5日ほどで行われた前々節・C大阪戦(○1-0)にさっそく右サイドバックで90分間プレーすると、そこから3試合連続でフル出場。いずれもクリーンシートという形でチームに貢献し、パリ五輪メンバー入りに向けて上々の再出発を見せている。
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今節の東京V戦(△0-0)ではチームがノーゴールに終わり、連勝が止まったことで、半田は「攻撃でもう少し背後を取ったり、変化を加えられたら良かった。チームとしてももう少し整理しないといけないし、個人でももう少し剥がしたりするところもまだまだだった」と悔いも見せたが、前向きな解決策もイメージ。「今日はもう少し自分が内側に入って後ろを3枚にすれば良かったし、後半は1~2回(中盤の)真ん中に入っていったけど、そういうトライを指示がなくても選手の判断でやれればもっと相手を困らせられると思う」と改善に意欲を示した。
また何より、堅守を牽引していたDF三浦弦太が長期離脱を強いられ、最終ラインの陣容が変わった中、3試合連続無失点という結果を残せている価値は大きい。4月上旬に急性胃腸炎で戦線離脱し、そのままU23アジア杯参戦のためチームを離脱したためJ1リーグ戦6試合を欠場した半田だが、復帰後の守備陣に手応えを感じているという。
「行く前よりも守備の強度も良くなったし、最後の最後で去年はやられるシーンが多かったけど、今年はみんな身体が張れている」。この一戦の前半には相手セットプレーからの波状攻撃をゴール前でせき止めており、「ああやってみんなで守れているし、守備は安定していると思う」と充実感を口にした。
またチームの成績だけでなく、半田自身もうまく復帰後のJリーグに順応している。長期にわたる代表活動直後のリーグ戦ではコンディション、戦術、環境、対戦相手の個性など異なる要素が多く、フィットするのに苦しむ選手も少ない中、フル出場が続いているのは適応力の証。U23アジア杯で出場機会が少なかったにもかかわらず、質の高いトレーニングも積めていたようだ。
「あっちで試合は出られなかったけど、試合の次の日の練習とか別メニューの時も高い強度でコンディションを保てていた」。そう大会中を振り返った半田は帰りの移動中も「帰ってすぐに試合だったので、そこでどうしたらコンディション良く戦えるかとか、時差のことも考えて帰ってきた」と断言。その結果、時差ボケは「全くなかったと言ってもいいくらい」だといい、「それがこうやって試合に出してもらえ続けている要因だと思う」と胸を張った。
U-15世代から日の丸を背負い続けてきた22歳にとって、世代の集大成となるパリ五輪出場権を争う戦いの中で出番を得られないことには当然葛藤もあった。それでも「本当は悔しさをもっと前面に出してというのもあったけど、大会中はチームなのでそんなことも言っていられない。チームのためにというところだった」とチームを支える役目に徹した。心の内に秘めた悔しさはこの先の舞台で晴らしていくつもりだ。
パリ五輪の選手登録枠はU23アジア杯の23人から18人に大きく絞られ、さらにその中にはオーバーエイジ選手も組み込まれる見込みであることから、メンバー入りは狭き門となる。ただそうした中でも半田は、パリ五輪へのモチベーションを意識しすぎることなく、まずはG大阪で結果を残すことにこだわる構えだ。
「今は代表のことやオリンピックのことは考えず、ガンバを勝たせること、自分の数字を残すことが優先だと思う。そこだけに集中してやっていきたい」。自身に求めるのは目に見える結果。「代表に行く前も代表期間中もあまりアピールはできていないので、帰ってきてからという思いでやっている。SBとはいえゴールやアシストが欲しい。そこはもっと貪欲に次のゲームから狙っていきたい」と力を込めた。