【東京V】歴史的勝利の立役者・山見大登、居残り練習が実った決勝弾「継続してやっていきたい」

5646日(15年5カ月16日)ぶりのJ1勝利を挙げた東京ヴェルディにあって、ガンバ大阪から期限付き移籍しているFW山見大登(24)が存在感を強めている。

3日の明治安田J1第6節・湘南ベルマーレ戦(2-1)では1得点1アシスト。後半41分の決勝ゴールの場面は、左サイドで浮き球の縦パスをMF齋藤功佑がワンタッチで落とし、後方から山見がすかさず胸トラップからドリブルでゴール前へ持ち込み、右足の鮮やかシュートをたたき込んだものだった。

第5節の京都サンガ戦で(2-2)も、左サイドからドリブル突破を図り、ペナルティーエリア内でファウルを受けてPKを獲得。このプレーで1点差としたことをきっかけに、後半アディショナルタイムの同点ゴールが生まれている。

ここまで先発起用はないが、途中出場すると持ち前の突破力を生かした切れ味鋭いプレーで、チームの得点に絡んでいる。7日のホーム柏レイソル戦(味スタ)に向けた5日の練習後、その山見が語った。

まずは「若いチームでこういう1勝は自信につながる。チームとしても良かったかなと思います」と今季初勝利を喜んだ。

プレシーズンからコンディションが整わず、シーズン突入後も練習、試合で持ち味を発揮できなかったという。だが状態が上向いてきたのと同時に「自分がどうやればいいのか、うまく伝えることができた。やりやすくなった」。

現在は後半途中から出場して流れを変える「スーパーサブ」となっているが、先発出場への意欲はある。

「守備の部分、他の部分が欠けているからこういう使われ方になっていると思うので、長く使ってもらえるようになって、スタメンでも使えるな、と思わせるプレーをできればいい」

全体練習後は、居残りでシュート練習など個人の課題と向き合っている。森下コーチに付き添ってもらい、オフザボールの動き出しの改善に取り組んでいる。その居残り練習が実り、湘南戦の決勝点につながった。

「(オフザボールの部分が)うまくできるようになっていくからこそ、(決勝点の)あーいうコースケ君(齋藤功佑)からのパスをうまくトラップできたと思う。そこは継続してやっていきたい」と言う。

そして次節7日に対戦する柏レイソルもまた、強敵となる。守備がタイトで前線にはFW細谷真大、マテウス・サヴィオの強力2トップがいる。それだけに接戦に持ちこみ、終盤の攻撃がポイントとなりそう。必然的にヴェルディの新たな武器となっている山見の突破力、決定力に期待がかかる。

加えて左サイド起用される山見がマッチアップする相手右サイドバックは、パリ五輪を目指すU-23日本代表の関根大輝。187センチの長身を誇る「壁」をどう攻略するか、試合のポイントとなりそうだ。

「(柏は)スピードある選手が多く、ショートカウンターで点取れるイメージが強い。攻撃しながら守備の戻りが大事になってくる。(関根は)でかい選手なので、そこに潜り込んでいけたらなと思います」と攻守における見立てを口にした。

自らを変えるために大阪から東京へやってきた。「サッカー選手としてターニングポイントになる1年だと思う。サッカーにすべてを注いで1年間やっていきたい」。

歴史的勝利の立役者。165センチの小柄なアタッカーは、チームの勝利とともに自らの未来をも切り拓いていく。【佐藤隆志】

◆山見大登(やまみ・ひろと)1999年(平11)8月16日生まれ。大阪府出身。大阪学院大高-関西学院大-G大阪。3シーズン過ごしたG大阪から今季、期限付き移籍で加入。J1通算45試合5得点。165センチ、61キロ。

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