「特別な90分間」 古巣相手に好守見せた町田GK谷晃生「敵に回すと嫌だなと」
2024明治安田J1リーグ第1節が24日に行われ、初のJ1リーグとなった昇格組のFC町田ゼルビアはホームにガンバ大阪を迎え、1-1の引き分けに終わった。
町田にとって初挑戦のJ1の舞台。初陣のゴールマウスに立ったのは対戦相手のG大阪から期限付きで加入した谷晃生だった。メンバー紹介から多数詰め掛けたG大阪サポーターからブーイングを受けた谷。先制した直後の18分には坂本一彩との1対1を制するなど、流れを渡さない好守や判断、カウンターの起点になるなどの活躍を見せた。
試合後、谷は「特別な90分間でした」と開幕戦かつ下部組織から在籍した所属元との対戦を表現。「自分には特別なクラブ。ユニフォームを背負ってる選手たちもそうですけど、後ろにいるサポーターは何とも言えないすごく威圧感があり、『敵に回すと嫌だな』と感じました。それも含めて開幕戦をいい雰囲気でできたと思います。失点したので、自分としては悔しい気持ちがありますけど、あれは正直、宇佐美くんをほめるしかないと思います。やられちゃったなという感じですね」と続け、古巣の選手、サポーターを称え、特に84分に同点となる直接フリーキックを鮮やかに決めた宇佐美に賛辞を贈った。
シュートストップ以外にもクロス対応やキャッチングなど安定したプレーを披露。「判断はすごく意識して日頃から取り組んでいます。キャッチ、弾く位置、相手が来ているのを見ての判断など、1試合ではありましたけど、それをシーズン通してやり続けられれば」、「タフなチームにならないと上にはいけないと思うので。上位で戦いたいと思っていますし、今日に関して言えば最低限。自分がJ1で何を残せるかは、今日はまだリーグ戦の1試合ですけど、今後もっともっと自分の存在感を示していければ」と、安定したパフォーマンスを示し続けることで、個人、チームの上昇を目指す。
60分過ぎに退場者を出してからは押し込まれ続ける展開となり、同点とされた。谷自身は「味方の選手と喋った時は、落ち着かす意味もあったんですけど、割り切れるので、10人になった方が守りやすいよねという声掛けはしていました」と話すなど、同点、逆転を許さないためにも、時間をかけてチームに落ち着きを与えようとした。97分には遅延行為で警告を受けている。「申し訳ない気持ちはありますけど、僕もやるしかなくて。遅延行為という形になってしまいましたけど、後でガンバの選手には謝りました」と、勝ち点への執着の表れだったと明かした。
新シーズンは始まったばかり。「僕らはやってきたものを信じていますし、キャンプを通してやってきたものを出すだけで。愚直にやれる選手が多いですし、今日の試合を見ていただいても『町田、走るな』、『ゴール前の守備などで体を張るな』というところは見えたと思います。逆にそれをやらない方が目立つ。そういうものも含めてメンタリティがすごく強い選手が多い」と、チームを評した谷。ヨーロッパでの困難を経て、町田から再出発を期すシーズンとなる。