【アジア杯】中村敬斗が決勝弾 デビューから6戦6発は54年ぶり 左45度の“KEITOゾーン”さく裂
◇アジア杯1次リーグD組 日本4―2ベトナム(2024年1月14日 カタール・ドーハ)
左45度の“KEITOゾーン”でさく裂した。同点に追いついて迎えた前半アディショナルタイム。中村はエリア左角でパスを受けると、DFをかわして右足を一閃(いっせん)。鋭い弧を描いたシュートはゴールネットの右上に突き刺さった。
「体に染みついている。シュートレンジを広く持てるのは、自分の武器でもある」
1970年の上田忠彦以来54年ぶりとなるA代表デビューから国際Aマッチ出場6試合6得点。G大阪やLASK(オーストリア)時代に何度も決めてきた角度からの逆転V弾に、端正なマスクがひときわ輝いた。
LASK時代はドリブル技術で得点を量産した。だが今季から所属するSランスでは「ボールをこねるとガッツリいかれる」と分かった。突き詰めたのは「ボールに詰める、クロスに入る意識」。ゴール前でエネルギーを出すため、得意のドリブルも仕掛けポイントを変更。高いレベルに身を置くことで、得点嗅覚を磨き上げた。
能登半島地震のあった石川県の地元ラジオ局によると、中村はすぐさま支援物資を届けたという。自身は千葉県出身だが、専属シェフが石川県出身。現在も被災している人たちの励みになろうと、交代する後半17分まで躍動した。
MF三笘とは違った特長で着実に序列を上げてきた。「まずは結果が大事。次も勝つ」。高い決定力で、イラク戦も勝利へ導く。



