大岩監督が語るパリ五輪世代とA代表の関係性…OA枠は「皆さんが期待する名前がある」“A代表経由”は「何がベストか話をしている」

パリオリンピックを目指すU-22日本代表とA代表は、今後より密接に絡み合っていくようだ。大岩剛監督は10月31日に千葉市内で取材に応じ、パリ五輪出場時のオーバーエイジ枠と、今後のA代表“飛び級”選出について言及した。

【画像】U-22日本代表が笑顔のオフショット

U-22日本代表は9月にバーレーンで行われたU23アジアカップ予選を首位で通過し、来年4月にカタールで行われるパリ五輪アジア最終予選も兼ねたU23アジア杯に出場する。この大会で3位までに入れば来夏のパリ五輪出場が決定。4位の場合はアフリカ勢とのプレーオフに回る。

U23アジア杯という難関を控えつつ、突破した場合は3か月後にはパリ五輪が開催される。本大会では24歳以上のオーバーエイジ枠が3人設けられるが、その招集への準備も水面下で進められているようだ。大岩監督は「リストを出さなきゃいけないタイミングに来ている」と明かし、オーバーエイジ枠を使用することに言及。「ウィークなところはもうはっきりしている」とCBを中心とした補強を検討していることを明かした。

ただ、それは補強だけでなく「(U-22世代の)選手自身に発破をかける意味でもある」と強調する。「オーバーエイジを使うというアプローチではなく、おれたちでやるんだよというアプローチはしていかなければいけない。その両方の作業は準備している」とその真意を語った。

「皆さんが期待している名前は実際にある」とほのめかしつつ、リストアップされた人数は「ものすごく多い。両手では数えきれない」。その理由は、単純に現状のウィークポイントの補強で話が進まない可能性もあるからだ。

海外進出が増加する日本サッカー界では、パリ五輪世代の選手もFW除いたどのポジションにも海外組がいる。たとえばシントトロイデンにはMF山本理仁、MF藤田譲瑠チマ、GK鈴木彩艶とU-22日本代表の主力が3人も在籍。インターナショナルマッチウィークの期間外となる来年4月のU23アジア杯での招集も考慮し、慎重な交渉が必要となる。もし五輪で招集できなければ、そのポジションが新たなウィークポイントになってしまう可能性もある。山本昌邦ナショナルチームダイレクターが中心となって所属クラブと友好的な関係を築いているようだが、大岩監督も「もしかしたら呼べなくなるということもある。本当にいろんな想定をしなくてはいけない。だから(OA枠候補の)量は増えますよね」と本音を口にした。

また、発足当初から掲げていた“A代表経由パリ五輪行き”は順調に進む。すでにGK鈴木彩、藤田、DFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)、DF半田陸(G大阪)、MF川崎颯太(京都)、FW細谷真大(柏)が正式に招集済み。コロナ禍で試合が中止となった22年1月の代表活動でもMF鈴木唯人(ブレンビー)、MF松岡大起(グレミオ)、MF荒木遼太郎(鹿島)、DF西尾隆矢(C大阪)が合宿に招集され、DFチェイス・アンリ(シュツットガルト)、FW佐藤恵允(ブレーメン)がトレーニングパートナーとして参加している。今年10月のA代表にはGK鈴木彩が2度目の招集となり、チュニジア戦では完封勝利に貢献。森保一監督も引き続きの招集を示唆している。

森保監督と大岩監督は10月29日のJ1第31節・柏レイソル対川崎フロンターレを視察していたようだ。具体的な視察の目的は明かさなかったが、「(A代表とU-22の)どちらがいいかという話を、この間の柏戦でもした」と語る。「名前が挙がる選手は皆さんもご存じだと思うが、彩艶を含めてそういう選手の招集が本当に今なのかどうか、逆算をして何がベストなのか話をしている」と鈴木彩以外の招集の可能性ものぞかせていた。

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