今夏加入のシントトロイデンMF山本理仁が目指す理想像「ゴール、アシストを取れるボランチに」…インタビュー
ベルギー1部シントトロイデンのMF山本理仁(21)が17日までにスポーツ報知のオンラインインタビューに応じた。今夏にG大阪から期限付き移籍で加入し、開幕から出場機会を重ねてここまで10試合に出場。左足から繰り出す多彩なパスが持ち味のパリ五輪世代の中心ボランチは、海外で得点力に磨きをかけ、さらなる成長を誓った。(取材・構成=後藤亮太)
―開幕戦からベンチ入りし、ここまで全10試合に出場。途中出場を重ねながら、9月24日の第8節のゲンク戦では初先発も飾った。
「やっと海外のやり方というか、やっぱり展開が速いので、そういうやり方にも徐々に慣れてきているのかなとは思いつつ、もっと試合に出ないと、という焦りも多少ある感じです」
―展開が速いというのは。
「ビルドアップで一個剥がしたら、みんなゴールに仕掛けていって、上手くいけばゴールにもつながるし、それがロストにつながって、カウンターを受けることもある。行ったり来たりの攻防が激しいな、というのが今の感じていることです」
―その点は試合に慣れることで適応していくものなのだろうか。
「そうですね。今までスプリントの数とかJリーグでは出ていなかったですけど、こういうサッカーをするにあたって、そういう数値も上がってきているし、体も慣れてきてはいるのかなと感じています」
―サッカーの違いを体感する一方で、左足から繰り出す多彩なパスが持ち味のボランチは、今年から就任したフィンク監督が志向するポゼッションサッカーに合致している。
「ボールを保持して、ポゼッションするチームなので、そこへの貢献度というのは、他の選手にはないものだと思うし、昔からボールを持つスタイルというのはやっているので。そういったものは間違いなく通用して、このチームに貢献できるものなのかなと思っています」
―その上で、伸ばしていきたい部分も明確にある。
「まだゴール、アシストは取れていないので、こだわってやっていかないといけないし、より生き残っていくためにも、そろそろそういう数字というものが欲しいなと思っています」
―海外でプレーする選手は、得点やアシストなど目に見える結果の重要性を口にしているが、そこの重要性は肌で感じる。
「感じますね。特にボランチってやっぱりわかりづらいというか、目に見える結果というのが取れないのが普通というか。逆にそこで取れたら、一際目を引く存在だと思うし、現代は、すごいボランチだったり、A代表で活躍している選手は、そういう数字を取れる選手だと思う。自分もそこを目指してやっていきたいし、より高みを目指す上で、そこは欠かせないのかなと思っています」
―チームでは新天地での挑戦がスタートしたが、パリ五輪を目指すU―22日本代表では中心選手としてプレーする。9月にバーレーンで行われたパリ五輪1次予選を兼ねたアジア杯予選では、2勝1分けで五輪最終予選進出を決めた。改めて戦いを振り返ったどうだったか。
「今まで自分も感じたことのないレベルの暑さでしたし、日差しとかの暑さというよりかは、まとわりつくような湿気の中での戦いだったので。息もしづらいし、そういう環境の面では間違いなくしんどかった。それプラス自分たちの代は、予選が戦えなかった世代だと思うので。そういういろんな緊張感のもとの、アジアの大会という難しさもすごい感じた大会でした」
―4月の最終予選を勝ち抜けば、8大会連続の五輪出場権を獲得する。今回のメキシコ(4〇1)、(日本時間18日に)米国と対戦する米国遠征にも選出されるなど、世代の中心選手としてプレーしているだけに、大舞台へ強い思いはある。
「やっぱり自分たちの代は、世界大会がなかった分、パリに対する思いは強いし、大岩ジャパンが立ち上がった時から、招集してもらって、ある程度信頼してもらっているので。必ずオリンピックに出て、活躍したいなという思いは強いです」
―クラブやU―22日本代表で活躍をすることで、また上のステージも見えてくる。明確な目標も見据えている。
「ここまで来たからには、やっぱり5大リーグに次は挑戦したいし、最後の自分の目標としては、ずっと夢としてある(欧州)チャンピオンズリーグ(CL)、W杯なので。そこに出るためのステップをこの1、2、3年で踏んでいきたいなと思っています」
―欧州CLでプレーする日本人選手も多くなったことで、その舞台も現実的な目標となっている。
「自分らと同じ年の久保建英選手が戦っていたり、もちろん、近くはなってきていると思いますけど、ただやっぱりそう簡単ではないと思うし、日本代表のレベルが上がっているからこそ、W杯(でプレーするの)が難しくなってきている。そのレベル(メンバー)に入っていくのも難しくなっているという意味では、まだまだ自分は努力しなければなとはしっかり思っています」
―最後に、今年はどういったシーズンにしていきたいか。
「やっぱりゴール、アシストをしっかり取れるボランチに、この1年でなりたいな、という目標がある。そういうところは練習から変えていかないといけないし、よりゴールというものに対する意識、意欲というものを変えていきたいなと、この1年は思っています」