日本代表・森保監督、FW三笘代役に中村敬斗を指名「レベルアップにいい機会」 13日にカナダ戦 10/13(金) 7:30
国際親善試合のカナダ代表戦(13日午後7時35分キックオフ)に向け、試合会場で大半を非公開にして最終調整した。公式会見で森保一監督(55)は、体調不良で不参加となったFW三笘薫(26)=ブライトン=が務めてきた左ウイングに、FW中村敬斗(23)を起用することを明言した。けが人などが多いピンチを、全体の底上げを図るチャンスに変える。世界ランキング19位の日本は、同44位のカナダと過去2勝1敗。
不測の事態にも備えていく。日が落ちると一気に冷え込む新潟で、森保監督は練習を行う選手を少し離れた位置から鋭いまなざしで見つめた。
「11月から始まるW杯アジア予選の準備であったり、それにつながるものにしないといけない。三笘のポジション(左ウイング)については、中村敬斗がまずは候補かなと思っています」
エースFW三笘が体調不良で不在。追加招集されたFW奥抜は発熱などで11日の練習を欠席すると、この日の千葉からの移動を見送った。アクシデントにも指揮官は「日本にはまだいい選手がいる。全体の経験値を上げ、レベルアップするという意味ではいい機会」と前向きに捉える。
3月のウルグアイ戦で代表デビューを果たした中村は、出場2試合連続で得点中(3得点)。指揮官は4-3-3の布陣で臨むことも明言し、左ウイングでの起用が濃厚となった。「まだまだ僕はボーダーラインだと思っている。いつも危機感を持っているし、毎日100%でやっている」と中村。与えられた好機でアピールを狙う。
W杯アジア予選は11月から2次予選が始まり、3次予選が2025年6月までの長丁場。今回は他にもFW前田が負傷で不参加となり、GK前川のけがによる離脱がこの日発表された。メンバー選考の段階でもMF鎌田とMF堂安の招集をコンディション不良で見送った。W杯予選中にも不測の事態が起きる可能性は少なくない。
「誰かだけに依存するのではなく、誰が出ても勝つ、誰と組んでも機能するということに自信を持てれば」と指揮官。約1年半に及ぶW杯予選と、来年1月のアジア杯を見据え、逆風をはねのける〝底力〟を養っておく。(山下幸志朗)
■中村 敬斗(なかむら・けいと)
2000(平成12)年7月28日生まれ、23歳。千葉・我孫子市出身。中学時代は三菱養和SCユースに所属。高校2年時の18年にG大阪に入団し、19年にU─20W杯に出場。同年7月にオランダ1部トゥエンテにレンタル移籍。シントトロイデン(ベルギー)、LASKリンツ(オーストリア)などを経て、今年8月にフランス1部のスタッド・ランスに移籍した。代表通算3試合出場3得点。J1通算24試合1得点。180センチ、73キロ。