三笘薫のいない左サイド、代役は「中村敬斗がまずは候補」森保一監督が“指名”…13日カナダ戦で3戦連発だ
サッカー日本代表は13日、カナダ代表と対戦。12日は新潟市に移動し、試合会場で最終調整を行った。体調不良で不参加となった攻撃の中心、MF三笘薫(26)=ブライトン=に代わる左ウィングの先発が注目される中、会見した森保一監督(55)はMF中村敬斗(23)=Sランス=を候補の1番手に“指名”した。11月から始まる北中米W杯アジア2次予選の代表選考(23人選出)を兼ねた国内2連戦の初戦で、中村が持ち味の中距離砲で存在価値を示す。
三笘のいない左サイドをどうするのか―。森保監督が挙げた名前は3月にA代表デビューを果たした中村だった。「中村敬斗がまずは候補だと思う。(会見後に行った)練習を見て決めたいが、候補としては敬斗かなと思う」と繰り返した。指揮官から“指名”された中村も「いつも通り、チャンスがあれば良いプレーをしていきたい」と期待に応える決意を示した。
昨季はオーストリア1部LASKで14得点をマークしたアタッカーは、今夏に完全移籍したSランスでも先月にリーグ戦初ゴールを記録。日本代表でも十二分にインパクトを残してきた。国際Aマッチ出場3試合で3得点。初先発した9月のトルコ戦では2ゴールを挙げた。
左サイドからの仕掛けが長所で、カットインからのミドルシュートも強烈だ。森保ジャパンの主力攻撃陣には中距離砲を得意とする選手は少ない。今のチームに足りていない特殊技能に秀でた「一芸」は、26人から23人に絞られる11月の北中米W杯アジア2次予選のメンバー入りへ大きな強み。自陣ゴール前で守りを固めるアジアの対戦国相手に有効な手段となりそうだ。中村も「まだ代表での出場時間は長くない。カットインからのシュートもこれから増やしていければ」と、カナダ戦での国際Aマッチ3戦連発を描いた。
三笘に代わり、追加招集されたMF奥抜も発熱による体調不良で、新潟に同行できなかった。試合直前に不測の事態に見舞われたが、森保監督は「けがやコンディション不良で必ず招集できるとは限らないと考えなければいけない。全体の経験値を上げる意味では非常にいい機会」と格好のシミュレーションと捉えた。
「まだまだ僕はボーダーライン。いつも危機感を持ってやっている」と強調した中村。森保ジャパンでの地位確立へ、得意のカットインで割り込む。(種村 亮)
◆中村 敬斗(なかむら・けいと)2000年7月28日、千葉県生まれ。23歳。三菱養和SC所属時の17年12月に高校2年生でG大阪と契約し、18年の開幕戦でJ1デビュー。19年夏にオランダ1部トゥウェンテに期限付き移籍。ベルギー1部シントトロイデン、オーストリア2部ジュニアーズ、同国1部LASKを経て今夏にフランス1部Sランスに完全移籍。3月の親善試合・ウルグアイ戦でA代表デビュー、6月の同・エルサルバドル戦で初得点。代表通算3試合3得点。180センチ、73キロ。