新潟、福岡と続いたリーグ戦のアウェイ2連戦を勝ち切り、最下位から脱出。15位に浮上したガンバだが、チームは目先の戦いに集中する姿勢を崩していない。

中3日でガンバが迎えるのは天皇杯2回戦の高知ユナイテッドSC戦。
Jリーグでは鹿島に次ぐ4度の天皇杯優勝経験を誇るガンバだがポヤトス監督も天皇杯の重要性をこう位置付ける。
「全ての大会が私たちガンバにとって重要な試合。天皇杯は勝てばACLへの挑戦権も得られる。そのチャンスがある限りは全力で行きたい」

今季初の連勝を飾ったリーグ戦では試合の終盤に5バック気味の戦い方を採用。内容だけでなく勝利への執念を見せてきたポヤトス監督ではあるが、天皇杯から4日後には3連勝がかかるリーグ戦のFC東京戦が控えることもあって、総力戦で挑むことになる。

「メンバー変更はある。日々のトレーニングをしていて試合に絡めていない選手にチャンスを与えていきたい」（ポヤトス監督）。
佐藤が台頭し始めたり、倉田がベテランらしい存在感を見せたりと確実にチームの底上げはなされているガンバだが、「天皇杯は波乱が起こるので一つ一つ、戦っていきたい」と徳島時代から天皇杯を指揮した経験を持つポヤトス監督も大会初戦の入りにはあくまでも勝ち切るメンバーを送り込むつもりだ。

顔ぶれが変わろうともボールを動かし、スペースを見出す今季の戦い方は変わらない。
アンカーに挑戦中の柳澤も出番に飢える一人だ。「高知ユナイテッドSCを意識するのではなく、自分たちが今までやってきたサッカーを出したい。おそらく、相手は引いて守ると思うので、相手のカウンターを封じたり、僕らが連続で攻撃できるようにボールを回収したい」と攻守両面での役割を意識する。

そして練習試合では1トップを託されることも多い山見も天皇杯に賭ける強い気持ちを持っている。「今シーズンまだ点が取れていないけど、練習試合では体も切れている。FWとして点が取りたい」。

ボールを収めるジェバリとは異なるスタイルを持つ山見だが、ドリブルの切れと背後への抜け出しは山見が持つストロングポイントだ。
選手の特徴を活かした戦い方を見せ始めているガンバだけに、モチベーション高くパナソニックスタジアム吹田に乗り込んでくるであろう高知ユナイテッドSCに対して、立ち上がりから攻守で主導権を握りたい。

天皇杯初戦の難しさを知る福田も言う。「絶対に勝たないといけない試合ほど難しいものはない。試合の入りと先制点が大事になる。早い段階で取れると勢いに乗れる」。

一方、1回戦で島根県代表のベルガロッソいわみを2-1で下してきた高知ユナイテッドSCはJリーグ参入を目指して現在、JFLを戦っている。
1回戦では昨季まで福岡に所属した東家聡樹がゴールを決め、広島でプレーした横竹翔がキャプテンを務めるなど要所に元Jリーガーを揃えており、とりわけガンバの課題でもあるセットプレーは注意が必要だ。

ACLにもつながる天皇杯。「確実に一つ、一つ階段を登っていく」（ポヤトス監督）
戦いが幕を開ける。

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