横浜FM藤田譲瑠チマ、覚悟の欧州遠征へ「自分の良さを再確認できるように」イングランド、オランダと対戦

横浜FMは敵地でFC東京に3―2と勝利し、今季初の3連勝を飾って首位・神戸に勝ち点で並んだ。

特に前半は難しい展開を強いられながらも、終盤の勝ち越しで大きな勝ち点3を奪取。後半32分から出場したMF藤田譲瑠チマは、「自分が入った時は相手も退場していたので、難しいことはなく、勝てるように点を取りにいった。チームとして勝てたことはうれしい」と喜びつつ、「自分としてはやっぱりもっと出場時間を増やせれば良かったな」とその表情には自身の置かれる現状に対するモヤモヤ感もにじんだ。

4日からはU―22日本代表活動として欧州遠征に臨む。イングランド(完全非公開)、オランダ(14日)と対戦。パリ五輪まで1年あまりとなる中、グループとしての前進はもちろん、個人としての価値を証明する期間にしていく。今回の活動はJ1リーグの中断期間とずれるため、DF半田陸(G大阪)らのようにクラブとの交渉により招集されていない主力選手もいる。藤田は「今の自分の立場を理解し、全力で戦ってきます」とメンバー発表時にコメント。「今回選ばれているメンバーは自チームでそんなに出られていない選手が中心で、自分もその一人。強い相手と対戦できる機会をもらえたので、またそこで自分の良さを再確認できるように、自信を持てるように、そういう期間にしたい。その中で強い相手ばかりなので、しっかり勝って帰って来たい」。今遠征にかける思いを口にした。

選手層の厚いクラブだが、その中でも”絶対的な存在”になりたい気持ちは常に持ち続けてきた。今季は途中出場が多く、リーグ戦の先発出場は3試合のみ。持ち味のテンポ良いパスを味方につけ、状況に応じて落ち着かせるプレーでゲームを締める役割も果たしているが、満足感はない。「まだ3試合しか(先発で)出てないけど、いいところもありつつ悪いところもある。流れが悪い時に自分のミスが続いたり増えたり、そこは直さないといけない。自分が勝たせられる選手になっているかはわからないけど、試合に出たいし、そういう選手にならないといけないと思う」。確固たる自信を取り戻し、成長のチャンスにつなげるべく、欧州の強豪相手に今持てる最大限をぶつけるつもりだ。

不動のボランチコンビとなっているMF喜田拓也やMF渡辺皓太に対し、「同じボランチしか見てない」と言い切るくらい、日頃からライバルのプレーに目を光らせ、盗めるものは盗んできた。今回のイングランドにも、現地報道によるとMFカーティス・ジョーンズ(リバプール)、MFエミール・スミスロウ(アーセナル)ら強力な個がメンバー登録されているもよう。「試合をちょっと見た感じ、プレミアで出ている選手が中盤でも何人かいたので、すごくたのしみ」と心待ちにする。

パリ世代の中盤を担う藤田だが、3月の欧州遠征は初戦のドイツ戦でベンチスタート。「すごく悔しかったし、自分はもっとできるんだということを見せたい」と当時はこれまでにない危機感も抱いていた。夏以降、W杯を終えたU―20世代も競争に本格的に食い込んでくる。さらに、6月シリーズでは同じポジションのMF川﨑颯太(京都)がA代表入り。「サッカー選手は試合に出てなんぼ」と京都で主将としてチームを引っ張る同世代の活躍も発奮材料となっている。

「ベルギー戦は自分たちのミスから失点が多かったので、そういうところ直せればもっと試合を楽に運べるし、勝つためにはそういった細かいところをなくしていかないと、今後厳しい戦いになればなるほど大変になる。自分がチームをどれだけ中盤で助けられるかも大事。(競争の意味でも)ラストチャンスだと、そのくらいの気持ちでいかないと」。並々ならぬ決意で勝負の11日間へと向かった。

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