サッカーコラム Jリーグ30周年の節目に苦しいシーズンを送るオリジナル10のG大阪
【No Ball、No Life】20日の横浜M戦(パナスタ)に0─2で敗れ、リーグ戦25年ぶりとなる5連敗を喫したG大阪。試合後、イレブンはゴール裏に陣取ったサポーターの声に耳を傾け、熱いエールを受け取った。
「『絶対に見捨てない』と言ってくれて、自分たちにありがたい言葉。僕自身にも名指しでポジティブな言葉をかけてくれた。毎試合、彼らに勝利をプレゼントできるようにならないといけない」
取材エリアに姿を見せた主将のMF宇佐美はサポーターとの会話の内容を、神妙に明かした。今季はここまで第14節を消化し、1勝9敗4分けで勝ち点7。最下位に沈んでいる。
今年は指揮官にポヤトス監督を迎え、従来のガンバのサッカーから変更に着手。これまでの堅守速攻スタイルからボールを保持し、自分たちでゲームをコントロールしながら攻める攻撃的な形にシフトした。当然、すぐに結果に結びつけばベストだが、そう簡単にはいかない。それが勝敗数となって表れている。
ただ、0─2で敗れた横浜M戦ではボールを保持し、じっと攻略の糸口を探すだけでなく、縦に素早く仕掛け、相手の背後を狙う動きがプラスされ、遅攻と速攻のバランスが取れてきたように思えた。試合後、ポヤトス監督は「勝利に近いところまで来ている」と一定の手応えを口にした。
試合開催当日の深夜にはクラブの公式ホームページに「ガンバ大阪に関わる全ての皆様へ」と題し、小野忠史社長の名でメッセージを載せた。そこには今季の苦しい戦いぶりを謝罪しつつ、「クラブが目指すサッカースタイルの構築に向け、攻撃においてはボール保持率の向上、シュート数の増加、守備においては攻撃から守備への切り替え、相手陣内でボール奪取力の向上など、前進をしていると考えております」などと確かな成長を感じ取っているとつづっていた。
Jリーグ30周年の節目に、転換期を迎えたオリジナル10の1つであるG大阪。今後の戦いぶりに注目が集まる。(西垣戸理大)