ガ大阪25年ぶり5連敗 90分通し「応援ボイコット」の異例の事態
◇◯横浜F・マリノス2―0ガンバ大阪●(20日・パナソニックスタジアム吹田)
ガ大阪が数的有利を生かせず、25年ぶりの5連敗を喫した。
異様な光景だった。試合終盤、ホームであるはずのガ大阪のサポーターは静まりかえったままだ。試合前にサポーター団体が「応援ボイコット」を表明する異例の事態が発生。その中で得点を奪えず、1998年以来、25年ぶりに5連敗を喫した。
この日を前に6試合白星から遠ざかり、最下位に沈む苦境。てこ入れのため、34歳のベテラン、倉田秋選手を今季初先発させた。攻撃では縦への意識を強めて序盤から激しいプレスをかけるも、前半37分にコーナーキックから失点。後半14分に相手に退場者が出て数的有利となるも、その20分後に2点目を決められ、反撃のムードはしぼんだ。
「90分を通して応援しないことを決定致しました」。試合前、サポーター団体がSNSを通じて、低迷するチームへの抗議を理由に応援ボイコットを表明した。太鼓などの演奏はなく、自発的な声援と手拍子に終始した。
試合後は、ゴール裏で選手とサポーターの代表者が直接対話。約5分間話し合い、「絶対に見捨てない」など強い言葉とともに握手を交わした。主将の宇佐美貴史選手は「全員がキャリアの中で一番苦しい時期を過ごしている。それでもあのように言ってくれる人たちのためにも諦めることなくやり続けるしかない」と覚悟を語る。泥沼の中でもがき続けるしかない。【生野貴紀】