【J30ベストアウォーズ】「ベストゴール」のFK部門は中村俊輔「ワクワクする気持ちで」
Jリーグの開幕30周年記念イベントが15日に都内で開催され、「ベストゴール」が6つの部門に分けて発表された。
フリーキック部門には、16年4月2日J1ファーストステージ第5節ガンバ大阪-横浜F・マリノス戦でのMF中村俊輔のゴールが選出された。
中村はイベントに出席し「評価していただいて光栄」と語った。蹴る際の心境について「練習でしみつかせて、難しい方がわくわくする気持ちでやっている」とメンタルの持ち方を語った。
フリーキックについては横浜の下部組織に入ったときから木村和司に憧れたといい「練習をたまたま見て、あれだけ曲がって落ちるのかという衝撃とフリーキックのかっこよさを」と当時をなつかしく振り返った。
▽フリーキック部門
中村俊輔
16年4月2日J1ファーストステージ第5節ガンバ大阪-横浜F・マリノス
【復刻】2016年(平28)4月3日付日刊スポーツから
横浜の元日本代表MF中村俊輔(37)が、頭脳的FK弾を決めた。最初にFKを得た前半11分は、ぬれた芝に足を滑らせ失敗。同40分に訪れた2度目のチャンスで蹴り方を変えた。普段は横からスパイク裏が見えるほどまで体を右に倒し、軸足の重心をアウトサイドで支えて遠心力で蹴る。1回目に蹴り損なったため、次は足裏をしっかり芝に付けてスライダー気味の弾道をゴール右へ突き刺した。
「最初は自分の蹴り方でやったら(軸足の)側面を(ぬれた芝に)付けすぎちゃった。だから滑らないことを意識して強く蹴った。(弾道は)見てないよ。転ばないように(重心を)縦にCKみたいに蹴った」
初めて訪れたG大阪の新スタジアムは、懐かしい薫りがした。09-10年シーズンに在籍し、わずか半年余りで退団を余儀なくされたエスパニョール(スペイン)の本拠地に似ていた。
「入ってすぐエスパニョールみたいって思ったね。いい思い出がないから、嫌な感じだけどね」。鳴り物入りで移籍しながら故障に泣き、出場機会が激減。シーズン途中で放出され、10年W杯も不振のまま終えた苦い思い出がある。この日のFK弾は自身の持つJ最多を更新する22点目。3連勝に導き、衰えを知らない姿を見せた。
※所属、年齢などは当時のもの