G大阪アカデミー育ちの奥田がC大阪デビューで輝き「覚悟はできている」
G大阪のアカデミー(育成組織)で育ち、来季からのC大阪加入が内定した桃山学院大学のDF奥田勇斗(22)が8日、舞洲(大阪市此花区)で行われた神戸との練習試合で〝C大阪デビュー〟を飾った。奥田はC大阪の特別指定選手として登録されている。
背番号45をつけた奥田は前半は本職の右サイドバックでプレー。タイミングをみてインナーラップを繰り返すなど、巧みなプレーを披露し、前半10分過ぎには絶妙なクロスボールでアシストも記録した。後半は自身としては「久々」という左サイドバックにも挑戦した。
今春に神戸とC大阪の練習に参加し、C大阪入りを決めた奥田は「練習に参加したときのチームの雰囲気がいい印象が持てた。自分がやりたいことがC大阪ではできたので、選ばせてもらった」と説明。G大阪のアカデミー育ちで、ライバルのC大阪に加入することについては「G大阪のユースでプロになれなくて大学に進学した。G大阪出身なので、戻りたい気持ちで大学でプレーしてきた。ただ、ポジションとかG大阪の現状を見たときに、自分が合ってなくて、そのタイミングで声がかかったのが、神戸とC大阪だった」と振り返った上で「C大阪から(オファーが)来たときは正直、ドキッとした。(G大阪の)ユースから(C大阪に)行った人がいないということだったが、自分の中では楽しみというか、ワクワクしている部分もあったので、チャレンジしてみたいなと思った」と心境を話した。
ある意味、〝禁断の入団〟。大阪ダービーで猛烈なブーイングを浴びる可能性もあるが、「そういう覚悟はできているので…」と決意を口にした。
「自分の持ち味はビルドアップと技術の部分。あとは積極的な攻撃参加。そこをうまく周りと連係しながらやっていきたい。個でいく場面もあるし、味方をうまく使いながら賢くサッカーするのが自分の強みだと思う」と奥田。C大阪の小菊監督は「非常にハイクオリティー。現代サッカーに求められるサイドバック。守備力、攻撃力ともに高い」と高く評価し「ハーフタイムに通訳にお願いして自分の気持ちを(右サイドで連係を取るクルークスに)要求していた。こういうことができる選手は間違いなく良くなるし、まだまだ伸びる。コミュニケーション能力も含め、すごい選手が入ってくれるとうれしくなった」と明かした。
その上で「戦術理解度が高いのも感じた。クラブが責任を持ってすばらしい選手、日本代表にしていかないといけないという使命感もわいた。早いタイミングで(公式戦出場も)考えていきたい。そのくらいきょうのパフォーマンスは良かった」と新戦力を絶賛した。(北川信行)