60度目「大阪ダービー」はC大阪が劇的勝利…試合終了間際に加藤が仕留める
1-1で迎えた試合終了間際、C大阪のカウンターが鮮やかに決まった。自陣の低い位置で香川からボールを受けた北野が敵陣に向かって走り出す。左にはたくと、駆け上がった山中が精度の高いクロス。ゴール前に入り込んだ加藤が頭でたたきつけ、劇的な勝ち越しゴールを奪った。
3日にパナソニックスタジアム吹田で行われた公式戦60度目の「大阪ダービー」は、C大阪が敵地で決めきる力を披露して2-1の勝利。通算成績はG大阪が27勝12分け21敗と依然として勝ち越しているが、C大阪がパナスタでの無敗を7試合に伸ばした。リーグ戦に限ると、これで大阪ダービーは4連勝。小菊監督は「矢印を一気に上に向けさせる大きな、貴重な勝利」と相好を崩した。
試合はG大阪が優勢にボールを保持する展開。前半28分にレオセアラのゴールで先制したC大阪だが、最終ラインの裏のスペースを突かれて後半11分に追いつかれると、その後も攻め込まれる時間が続いた。
それでも、布陣を今季から取り組んでいる4-3-3から、昨季の4-4-2に変更して堅守速攻の意識を徹底。リードした後は5バックにして守りを固め、最後の数分を隙なく逃げ切った。
中盤の中央を封じられた攻撃では、武器にしている両サイドバック(SB)の質の高いクロスが威力を発揮した。前半28分の先制点は右SBの松田、そして決勝点は左SBの山中から供給された抜群のボールをFW陣が仕留めた。
「相手ボールの時間が長かったが、切り替えてストロングを出そうと思った」という山中は「気持ちいい勝利になった」。途中出場で決勝点を挙げた加藤は「絶対に好機があると思ってピッチに入った。結果が出たことで、ふっきれた部分がある」と口元を緩めた。香川は「勝つことしか考えていなかった。サポーターにささげる勝利」と強調し、指揮官も「とにかく結果にこだわった。全員が最後まで戦いハードワークしたことが最後の得点になった」と力を込めた。勝ち点3を奪う大切さを改めて実感した大阪ダービーを再浮上のきっかけにしたい。(北川信行)