リスクは? 10代で欧州移籍した日本人(4)2度も大苦戦…。まるで別人? 最高傑作と呼ばれた男

かつてはJリーグや日本代表で実績を残した選手が欧州に挑戦するのが一般的だったが、現在ではJ2から海を渡る例も少なくない。早い段階で海外に挑戦するという決断は、将来的なステップアップの可能性と、適応できずにキャリアを難しくさせるというリスクの両方を抱える。もちろん、それぞれが抱える事情は違うが、先人たちの例は今プレーしている人たちの教訓になるだろう。今回は、過去に10代で欧州リーグに移籍した選手を紹介する。

宇佐美貴史

生年月日:1992年5月6日

移籍時期:2011年6月(19歳)

移籍:ガンバ大阪→バイエルン・ミュンヘン

ガンバユース史上最高傑作は、欧州の壁に何度もぶち当たった。高校2年生ながら飛び級でトップチームに昇格し、17歳で開幕を迎えた2010年シーズンにリーグ戦7得点をマーク。翌11年も開幕から結果を残し、6月にバイエルン・ミュンヘンへの期限付き移籍が発表された。

しかし、そうそうたるメンバーが揃うバイエルンでの日々は苦しいものだった。11/12シーズンは公式戦4試合の出場に終わり、12/13シーズンは期限付き移籍したホッフェンハイムでも2得点に留まった。13年夏にガンバ大阪に復帰し、欧州挑戦の夢は一旦ストップすることとなった。

ガンバでは13年のJ1昇格、翌年の国内3冠獲得の原動力となった。15年3月には2年半ぶりに日本代表にも復帰し、その後はコンスタントにメンバー入りしている。Jリーグで再び結果を残した宇佐美は、16年夏にはアウグスブルクに完全移籍することになる。

しかし、2度目の挑戦も不完全燃焼に終わる。2部で戦った17/18シーズンこそ28試合8得点と結果を残したが、1部では2シーズンでわずか1得点に留まり、19年夏に2度目のガンバ復帰を決めた。昨年3月にアキレス腱断裂の大怪我を負ったが、懸命なリハビリを経て同シーズン終盤に復帰。今季からは背番号7を背負い、キャプテンを務め、名実ともにガンバの顔として奮闘している。

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