【G大阪】「パワハラに該当」ユース森下仁志監督退任でクラブ会見 契約解除せずクラブには在籍
ガンバ大阪は31日、大阪・吹田市の本拠地パナソニックスタジアム吹田で記者会見を開き、選手らへの指導の適正範囲を超えた不適切な言動により、ユース監督退任となった森下仁志氏(50)の問題について説明した。
和田昌裕取締役強化アカデミー担当(58)は「クラブとして、指導の適正範囲を超えた不適切な言動を認定している。指導上、必要な範囲を超えているので、その意味では、パワーハラスメントに該当する」と説明した。
クラブとしては森下氏が、21年のユース監督就任後から複数の選手やスタッフに対し、厳しい言動があったという認識を示した。暴力行為はなかったという。
松波正信アカデミーダイレクター(48)は「(森下氏が)威圧的な叱責(しっせき)を繰り返す、侮辱的な発言があったということで、我々としては適正な範囲を超えた指導があったと認めている」と説明した。
問題の発覚は2月末、一部の選手から「指導の適正範囲を超えた不適切な言動が見受けられる」とクラブに情報提供があり、調査を開始。同時に同監督を自宅待機にし、Jリーグにも報告していた。
その後、森下監督、選手やスタッフから聞き取り調査を行い、顧問弁護士と調査結果に基づき協議。3月24日に事実関係が認められ、同監督も事実と認めたことで、クラブとの話し合いで退任が決まった。
クラブ側はこの日の会見で、2年間以上にわたる森下氏の過度な指導について、今回の聞き取り調査で初めて認識したことを何度も強調した。
松波氏は「私もピッチに立つことはあるが、常に出ているだけではない。そういった時に、そういう言動は認識していない」と、重ねて初耳だと説明した。
森下氏は30日付でユース監督職を解任されたが、契約は解除せず、クラブには在籍したままという。
和歌山県生まれの森下監督は現役時代、万能型のMFで帝京高、順大を経て、95年にG大阪入団。札幌や磐田にも在籍。J1通算202試合9得点の結果を残した。
指導者としても磐田や京都などの監督も務め、J1通算23勝23分け32敗の指揮実績がある。15年に指揮した鳥栖では、のちに日本代表になった東山卒の新人MF鎌田大地(Eフランクフルト)を育成した。
古巣G大阪には19年に復帰し、J3に参戦したU-23チームの監督を2年間率い、FW食野亮太郎(24)やFW中村敬斗(22=LASK)、FW川崎修平(21=神戸)ら若手の鍛え上げ、21年からユース監督に就任していた。