G大阪・半田 A代表初選出御礼アシスト 21歳が森保ジャパン右SB戦線名乗り
◇明治安田生命J1第5節 G大阪2―2札幌(2023年3月18日 パナスタ)
明治安田生命J1リーグは各地で7試合が行われた。飛び級でA代表に初選出されたG大阪のDF半田陸(21)がホームの札幌戦で“御礼アシスト”をマーク。2―2で引き分けたが、親善試合のウルグアイ戦(24日・国立)、コロンビア戦(28日・ヨドコウ)へ向けた20日からの合宿へ弾みをつけた。
笑顔はない。本拠で2点ビハインドを追いついたとはいえ、G大阪は開幕5試合で勝ち星がない。「勝てなかったのが全て。アシストを一つつけられたのはうれしいけど、まだまだこれからです」。半田は悔しさをにじませた。ただ、日本代表の次世代を担う期待の右サイドバックが、移籍後初アシストを記録したのは明るい材料だ。
2点を追う後半14分、流れるようなパスワークから半田がタイミングよく相手DFラインの背後に抜け出した。シュートコースも見えたが、ゴール前に走り込んだ石毛の動きを見逃さなかった。「シゲ(石毛)くんに優しいパスを出せました」。瞬時の判断で、GKとDFの間に通すグラウンダーのクロスに切り替えた。
日本代表合宿は20日から始まる。3大会連続でW杯に出場した浦和のDF酒井だけではなく、W杯カタール大会メンバーで川崎FのDF山根の招集が見送られた。その中で本人も驚きだった“飛び級”での選出。J2山形から今季加入したG大阪では持ち味である対人の強さや頭脳的なフリーランニングなど全てを発揮しきれているわけではないが、注目が集まる一戦で実力の一端は示した。
「数字がつこうとつくまいと、自分がやるべきことをやるだけ」
ウルグアイとコロンビアの強豪2カ国が相手でも、目指すは一気のレギュラー奪取だ。無限の可能性を秘める21歳が、新たな戦いに視線を移した。(飯間 健)
◇半田 陸(はんだ・りく)2002年(平14)1月1日生まれ、山形県上山市出身の21歳。山形ジュニアユース村山―山形ユースを経て19年にトップ昇格。23年にG大阪に完全移籍した。J1通算5試合、J2通算92試合3得点。1メートル76、63キロ。利き足は右。