【識者コラム】新顔4人起用に伴い、鎌田をボランチ、久保をトップ下へ

森保一監督率いる日本代表は3月24日にウルグアイ代表（国立競技場）、28日にコロンビア代表（ヨドコウ桜スタジアム）と「キリンチャレンジカップ2023」で対戦予定。ワールドカップ（W杯）終了後の指揮官継続は日本代表史上初のことで、3月シリーズは森保ジャパン“第2章”の始まりとなる。

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初陣にはカタールW杯メンバーのうちGK川島永嗣（ストラスブール）、GK権田修一（清水エスパルス）、DF吉田麻也（シャルケ）、DF長友佑都（FC東京）、DF酒井宏樹（浦和レッズ）、DF谷口彰悟（アル・ラーヤン）、DF山根視来（川崎フロンターレ）、MF柴崎岳（レガネス）、MF南野拓実（ASモナコ）、MF相馬勇紀（カーザ・ピアAC）がメンバー外。MF久保建英（レアル・ソシエダ）らカタールW杯出場組16人に加え、DF角田涼太朗（横浜F・マリノス）、DF半田陸（ガンバ大阪）、DFバングーナガンデ佳史扶（FC東京）、FW中村敬斗（LASKリンツ）の初招集組4人らが名を連ねた。

実戦に向けて、メンバー26人を対象にシチュエーション別に布陣を考察。ここでは「新顔優先編」をお届けする。

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”初陣”としてはチャレンジングな布陣なので、見られるとすれば大阪でのコロンビア戦だろう。半田、角田、バングーナカンデ、中村という初招集の4人に加えて、カタールW杯では出番のなかった町野修斗を起用し、ドイツ1部フランクフルトでボランチ寄りの起用も増えている鎌田大地（フランクフルト）をうしろにして、久保をトップ下に置いた。

中村を左で起用するため、三笘薫（ブライトン）はベンチに回るが、今後もすべての試合で三笘がスタメンという固定化はリスクがある。中村は三笘ほどドリブルで突破し切るキャラクターではないが、スペースを切り裂いてのクロスや斜めに仕掛けてのミドルシュートなど、ゴールに直結するプレーという意味で、ポテンシャルが非常に高い。そうした選手を堂安律（フライブルク）やアンダー世代から一緒にやっていた久保と組ませることで、どんな相乗効果が生まれるかは楽しみだ。

ボランチの2枚はカタールW杯組だが、組み合わせという意味ではここから3年半を考えた時に、主軸になって行ってもおかしくない。田中碧はドイツ2部という環境で、しかも最近デュッセルドルフでは控えに回る試合もあるなど、難しい状況にあるが、だからこそ代表で価値を示して、ここからにつなげていく意味では重要な活動期間になりそうだ。

GKは谷晃生（ガンバ大阪）というチョイスもあるが、Jリーグでもパフォーマンスの安定感を買って、ここでは大迫敬介（サンフレッチェ広島）にした。リアルなところ4バックは瀬古歩夢（グラスホッパーCZ）を除くと初招集組なので、不安と見れば瀬古のところに板倉滉（ボルシアMG）か冨安健洋（アーセナル）を入れるのが現実的かもしれない。その場合のオプションとして瀬古のボランチ起用もあるか。

［著者プロフィール］

河治良幸（かわじ・よしゆき）／東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる　データ進化論」（ソル・メディア）など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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