新生・興國注目の“クアトロボランチ”。取られない力、奪取力も武器のMF國武勇斗はライバルを凌駕して“主役”に

[3.11 ECLOGA1回戦 興國高 2-2(PK3-5)昌平高 J-GREEN堺]

興國高の内野智章監督が、「今年のウリかな」と評するのが、“テトリスボランチ”“クアトロボランチ”と表現する4選手だ。MF國武勇斗(2年=ガンバ大阪堺ジュニアユース出身)、MF小林嘉人(2年)、MF西岡隼平(2年、右SB)、MF古瀬夢叶(2年、左SB)。2CBの前に並ぶ4人について指揮官は「フットボールIQもあるし、身体能力もある。(欧州遠征で)マルセイユとやっても、トゥールーズとやっても、サバデルとやっても、ジローナとやってもあの4人は違いを見せれる」と指揮官は説明する。昌平高戦もこの4人がビルドアップ、サイド攻撃の中心になっていた。

中でも昌平戦で存在感を放っていたのが、國武だ。横浜FCへ進んだMF宇田光史朗が「8番」の後継者に指名したボランチは新生・興國の柱の一人。昌平戦でも「持ち味、武器は運べたり失わないところなので、それはどんどんチャレンジしていきました。(狭い局面でも)取られる気がしないですね。(ボールを)隠したり、逆取ったりとかで自信あります。(フィジカルも強く)結構、腕とかで勝つこともある。そういうのも意識してやっていた」というMFは中盤中央から力強く前進する力やゲームメーク力を発揮していた。

本人はロングキックのミスがあったことを反省。また、ボール奪取力が高い一方、守備の予測や周囲を動かすことは課題になっている。上のステージでの活躍を狙う國武はその点での成長も誓っていた。 “4人のボランチ”については、「(欧州でも)通用していたと思います」と説明。右サイドの西岡、左サイドの古瀬が個で相手のプレスを剥がして國武、小林に繋ぎ、中央の2人の連係でアタッカー陣に良い形でボールを配給する。いずれも身体能力が高く、4人中3人は180cm超という。彼らは国内のライバルチームも苦しめそうだ。

興國は現在、ベルギーで挑戦中のMF宮原勇太(2年)とトゥールーズ(フランス)練習参加中のMF千葉大舞(2年)が不在。宮原は入学前から注目され、1年時から10番を背負ってきたアタッカーで、C大阪U-18から“移籍”してきた千葉も、特に攻撃で違いを生み出す世代トップクラスのタレントだ。だが、國武は“主役は自分”だと「思っています。(宮原、千葉)ちゃうっすね。(主役は自分だと)去年から言っていますね」と言い切る。

彼らに負けていないという武器を表現すること。そして、試合を通して活躍し、チームを勝たせて実力を証明する意気込みだ。2人は3月中に帰国予定。「今ある課題というのをしっかり全部克服して、もっと自分の武器も活かして絶対にボールを取られない、運べる、で、ラストパスももっといると思う。得点に繋がる選手にならないといけない」という國武がチーム内のライバルたちを凌駕する。

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