ヤマザキナビスコ杯 鹿島3発、最多6度目V G大阪に完勝「理想的な試合」 産経新聞 11月1日(日)7時55分配信

優勝を告げるホイッスルが鳴り響くと、鹿島の選手は握手し、抱き合った。昨季国内3冠のG大阪を3-0と圧倒。柴崎は「内容もタイトルも自信になる」と充実感をにじませた。3年ぶりの戴冠(たいかん)で、国内のタイトル数を「17」に伸ばした。

勝利への執念はすさまじかった。何度も好機を逃しながら愚直に攻め続けた。90分間攻撃のスイッチを切らず3ゴールを積み重ねた。中盤ではG大阪のパスを次々に刈り取り攻守に主導権を握った。柴崎は「理想的な試合だった」と誇った。

石井監督は3カ月前の就任初日から「結果はどうあれ、戦う姿勢を見せろ」と選手に要求してきた。昌子は「勝ちたいとみんなが思って戦えている」と言う。勝利が必要な大一番での敗戦が多かった選手たちは、着実な成長を遂げている。

指揮官への信頼も隠れた力だ。試合前、「石井さんを泣かせよう」と西は言った。コーチから昇格し、選手が「監督」と呼んだら少額の罰金を科すなど、選手との距離感を変えないよう腐心してきた監督は、選手の手で6度、宙を舞った。

タイトルの味を数多く知る小笠原、本山、曽ケ端は30代後半。20代前半の柴崎、守備の中心に成長した昌子らが「常勝」の遺伝子を継承しつつある。小笠原がつぶやいた一言には底知れないすごみがあった。「1つで常勝とはいえない」

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