開幕戦「7」の覚悟示した宇佐美貴史 J1ガンバ大阪

◇柏レイソル2-2ガンバ大阪(18日・三協F柏)

ガ大阪のFW宇佐美貴史の見事な同点シュートが決まったのは後半4分。ゴール前に進入してボールを受け、ドリブル突破を図る。最後は柏のDF立田悠悟のスライディングタックルもかわし、左足でシュートを決めた。チャンスを作れないでいたチームに勢いをもたらし、5分後にはMFダワンの勝ち越し点も生まれた。

「(得点は)いいもんだなあ」という宇佐美の言葉に実感がこもる。昨季はけがもあって無得点。ゴールは2021年11月までさかのぼる。しかし、終了間際にPKで追いつかれたことに気持ちは向かうようで、「勝てれば良かったのだけれど」と笑顔はなかった。

ガ大阪は昨季、J1残留争いに巻き込まれるなど、2年連続の2桁順位となる15位。かつての強豪も14年を最後に優勝から遠ざかる。今季は、徳島を率いたスペイン人のポヤトス監督を迎え、ボールを保持して主導権を握るサッカーで立て直しを図る。その中心たらんとして、生え抜きの30歳は並々ならぬ決意を見せる。

「今季、誰が一番、重いものを多く背負っているかといえば、それは僕。その中で結果を出し、プレッシャーを打ち破っていくことは快感。だからこそ主将を引き受けたし、背番号7も背負った」と宇佐美。「7」は現在、J2磐田にいるMF遠藤保仁がガ大阪で長く背負ったもの。約20年、チームの中心であり続けた先輩の役割を担うつもりだ。

中盤の左、インサイドハーフを主戦場に、前線からボランチの位置まで幅広い動きでチームを支え、流れを作ろうと努めた。「やることは多いが、楽しさとやりがいしか感じていない」。覚悟のほどをプレーで示した開幕戦だった。【斉藤雅春】

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