「誰が一番重いものを背負っているかと言ったら…」7番、主将、G大阪FW宇佐美貴史の覚悟
[2.18 J1第1節 柏 2-2 G大阪 三協F柏]
「重いものを背負っている」覚悟のシーズンが開幕した。2年半以上、空席になっていたガンバ大阪の「7番」を、今シーズンから背負うFW宇佐美貴史が、開幕戦で圧巻のゴールを見せた。
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柏に1点リードした中で迎えた後半4分、DF三浦弦太の縦パスをMF山本悠樹がダイレクトで中央に入れる。MFダワンがMF山田康太と競り合いながらもマイボールにすると、宇佐美に横パスを送る。柏守備陣は揃っていたが、宇佐美はドリブルで中央を割って柏守備陣を置き去りにすると、GKとの1対1をつくって左足でシュート。GK佐々木雅士が左足に当てるも、ボールはゴールインとなった。
昨シーズンは右足アキレス腱断裂で長期離脱を強いられ、7試合0得点に終わっていた宇佐美。ゴールは2021シーズンの第37節・川崎F戦以来2シーズンぶりのことだった。「いいもんだなって思いました」とJ1通算65得点目を振り返るも、「勝てれば最高でした」と後半アディショナルタイムに追いつかれてしまった開幕戦を振り返る。
土壇場で勝ち点3を失う格好になったが、宇佐美は「ポジティブな悩み」と手応えを感じたという。
「勝てそうなゲームを落としたとか、ボールを支配してるところで3点目が取れていればとか。試合終わったときにそういった感情になることはここ数年なかなかなかったので。もちろん勝ちたかったですし、勝ち点2を失ったっていうのも間違いないと思いますけど、ポジティブな悩み」
今季から4-1-2-3の布陣に取り組んでいるG大阪において、宇佐美は中盤インサイドハーフとして先発。組み立てにも参加しつつ、味方へ指示を飛ばす場面も目立った。ダニエル・ポヤトス監督は、「貴史は中でプレーするのが好きな選手。中にいることでボールにいっぱいさわれますし、ゴール自体も中央にあるのでそこを目指すことができる」と宇佐美を中盤に配した理由を説明。その起用意図に応えたゴールだった。
宇佐美個人にとって特別な1年であることは間違いない。主将に就任しただけでなく、背番号を「7」に変更した。2020年10月に遠藤保仁が磐田へと期限付き移籍(後に完全移籍)してから、G大阪の7番をつける選手はいなかった。チームに多くのタイトルをもたらしてきたレジェンドが18シーズンにわたってつけていた、番号を選択した。
「今年誰が一番重いものを背負っているかと言ったら、僕だと思う」
不退転の覚悟を持った30歳のFWは、「結果を出していくとか、そういうプレッシャーを打ち破っていくっていうのは快感」とサポーターやチームの期待値を越えていくつもりだ。