2023年の優勝と降格予想「Jの世界に類のない面白さと難しさ」「監督さんはこういう記事読んでる」【Jリーグ2023年開幕の激論】(7)
2023年のJリーグが開幕する。J1リーグは17日の横浜F・マリノスと川崎フロンターレの対戦を皮切りに、熱いシーズンに入っていく。今季のJ1の見どころはどこにあり、最後に笑う、あるいは泣くのはどのチームになるのか、ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が激論を交わした。
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■Jリーグの魅力
――移籍は不活発でしたが、どんなところに今季の面白さを見出しますか。
大住「Jリーグには、世界の他のリーグにはない面白さと難しさがある。本当にどこが優勝するか分からないし、優勝したチームも次の年には降格するかもしれない。そういうリーグだからこそ、下位であっても志の高いチームと選手がいて、びっくりするようなサッカーをできる。これはJリーグならではの魅力だと思う」
後藤「反町康治監督、チョウ・キジェ監督の頃の湘南ベルマーレは、本当に面白いサッカーをしていたじゃない」
大住「プロとして客を呼べるサッカーだったよね。サッカーとしては今の方があの頃より優れているかもしれなくても、今よりも熱狂的だったと言える。イビチャ・オシム監督の時のジェフユナイテッド千葉とかね」
後藤「そういうチームも必要だよね」
大住「今回の対談で名前が挙がらなかったり、こちらが注目していなかったような高卒ルーキーとか、ユースから上がったばかりの選手を、もっともっと活かしてほしいよね。日本には、若手の起用はまだ早いみたいな風潮があるけどさ。去年のFC東京であんなに我慢強く松木玖生を使ったというのは、アルベル・プッチ監督の功績のひとつだったと思う。良い時も悪い時もあったけど、外さなかったからね」
後藤「このチームでポゼッションサッカーをやるなら絶対に必要だと、肝を据えて使ったよね」
大住「そういう事例がもっと出てきてほしいよね。大卒の選手が1年目から活躍するのは、もう珍しくないけど」
後藤「今年なら、川崎フロンターレの山田新だね。現在の川崎はちょうどCFが手薄だし。インカレの決勝では、素晴らしかった。シュートもすごかったし、チームプレーへの貢献も素晴らしかった」
■優勝チームを予想する
――上位の予想を教えてください。優勝はどこだと思いますか。
後藤「僕は川崎」
大住「じゃあ、僕はサンフレッチェ広島にしておこうかな」
後藤「何年か前にも、そう予想したね」
大住「ずっこけたけどね」
後藤「今年はそんなにずっこけないと思うけど」
大住「満田誠に期待だね。満田、川村拓夢。あの2人、いいよねえ」
――2位はどこでしょう。
後藤「僕は横浜F・マリノス」
大住「僕は川崎で、3位にマリノス」
後藤「3位予想は難しいなあ。セレッソ大阪にしておこうか」
――では、1枠のみの降格はどうでしょう。
大住「アビスパ福岡が心配かな」
後藤「戦力的に考えるとそうだけど。これまで何度もそういうシーズンがあったけど、しぶとく守備をしながらそれなりに乗り切ってきたからね」
大住「ただフアンマ・デルガド、ジョルディ・クルークス、渡大生といった攻撃面で活躍できる選手がいなくなった。FC東京から紺野和也を取ったけど、あとは井手口陽介が救世主になれるかだね。それでも戦力的に心配だな」
後藤「大崩れしないんだよね」
大住「試合内容がすごく良くなっているよね、普通に。結局勝てなかった試合でも、ダメだったという感じではないよね。別に最初から悲観するようなチームではない」
■あえて最下位を選ぶなら…
後藤「最下位を独走するようなチームは出ないと思うけど、仕方なく選ぶとしたら福岡かな」
大住「そういえば、まだ京都サンガF.C.の話が出ていなかったよね」
後藤「結構苦しいと思うよ」
大住「うん、苦しいような気がする。ヴァンフォーレ甲府に移籍したピーター・ウタカよりガンバ大阪から来たパトリックの方が、シーズン通じて頑張れそうだけど。でも、僕の降格予想は京都にしておこうかな」
後藤「キジェさんに怒られるよ! 結構監督さんって、こういう記事を読んでいるんだよね。気にしなくていいのに」
大住「今年は戦力やサッカーの内容でダメなところはないから、シーズン中にうまく切り替えができなかったチームが落ちると思う」
後藤「強いチームはケガ人が出てもカバーできる選手層があるからね。そういう意味で横浜FMと川崎は1、2人がケガをしてもカバーできるだけの選手層があるから強い」
大住「そう考えると、やはり何が起こるか分からないよ」
後藤「福岡と京都に、ごめんなさい、ということになる可能性は十分にあるよ。圧倒的に弱いチームなんてないんだから」
大住「Jリーグって、世界で他に類のないリーグだからね」