期待外れは誰? Jリーグ助っ人、実力発揮できず“今季限り”となりそうな選手は〈dot.〉

 湘南の34歳FWウェリントンはどうなるだろうか。身長186センチの高さが武器のブラジル人ストライカー。2013年6月に初来日して翌2014年にリーグ戦20得点を挙げて湘南のJ1昇格に貢献。その後、福岡や神戸、ブラジルでのプレーを経て2021年に7年ぶりに湘南に復帰してリーグ戦出場26試合(スタメン17試合)で6得点。迎えた今季もなかなか結果が残せず、町野修斗が成長したこともあって5月下旬から控えに降格した。9月7日の横浜FM戦を終えた時点でリーグ戦出場21試合(スタメン4試合)1得点のみとなっている。

それでも同10日の清水戦で試合終了間際のラストプレーで執念の同点弾。引き続きベンチスタートからでも存在感を示してチームのJ1残留に貢献することができれば、来季もライトグリーンのユニフォームに袖を通す可能性が高まる。だが、年齢的には以前のように多くは望めず、助っ人としては物足りないことは確か。あとは契約条件次第だろう。

G大阪所属のFWレアンドロ・ペレイラも微妙な立場だ。広島時代の2020年にリーグ3位の15得点をマークした実績を買われて2021年1月にG大阪に加入。身長190センチの高さと左右両足からの強烈なシュートで点取り屋として大きな期待を背負ったが、同年はリーグ戦24試合(スタメン15試合)で5得点と物足りない成績。仕切り直して臨んだ今季も片野坂知宏監督の求めるサッカーに適応できず、5月21日のC大阪戦では味方DFの昌子源と試合中に激しく口論する前代未聞の“仲間割れ”もあった。

しかし、松田浩新体制となってからは見違えるような献身的プレーを披露。今夏に鈴木武蔵が加入し、来季は宇佐美貴史も復活予定の前線は人員整理が必要な状況ではあるが、残りの試合でチームをJ1残留に導く活躍、何よりゴールという結果を残すことができれば、来季も大阪にいるはずだ。

上位陣では、鹿島のDFブエノが戦力になれていない。身体能力の高さを武器とするブラジル人センターバック。2014年に初来日して以降複数クラブを渡り歩き、母国でのプレーを経て昨夏に鹿島に復帰したが、リーグ戦出場は1試合のみ。チーム内のCB不足が指摘された今季も控えの立場は変わらず、ここまでリーグ戦7試合(スタメン4試合)の出場で、プレー自体も能力不足を露呈。クラブは新たなセンターバック獲得に動くはずだ。

同じく、柏の万能型FWアンジェロッティも首脳陣およびサポーターの期待に応えられず。昨年1月にオルンガと入れ替わる形でチームに加入した昨季もリーグ戦出場10試合(スタメン4試合)で無得点だったが、今季もここまでリーグ戦出場13試合(スタメン1試合)で無得点。下部組織から多くの若手が台頭する中、日本に馴染めないブラジル人の居場所はない。

また、広島在籍4年目のブラジル人FWドウグラス・ヴィエイラも、今季はリーグ戦出場9試合(スタメン1試合)のみ。少ない出番の中で3得点を挙げているが、唯一のスタメンだった9月10日の川崎戦は0対4の惨敗と印象は良くない。今季新加入のベン・カリファが能力の高さを見せており、序列は低い。

能力的には申し分なくても退団危機と直面しているのが、名古屋のポーランド人FWシュヴィルツォクだ。強さと巧さを高次元で兼ね備えた点取り屋。昨年7月に来日し、昨季はリーグで14試合に出場(スタメン9試合)して7得点をマーク。ACLでもゴールを決め、ルヴァン杯優勝にも貢献し、新エースとして信頼を掴んでいた。しかし、昨年10月のACL・浦項戦後のドーピング検査で陽性と判定され、以降は暫定的な活動禁止状態が続いている。クラブとは2024年1月まで契約を結んでいるというが、正式な処分内容が発表されて来季も試合に出られなくなれば、高額な年俸を考えても契約解除となる可能性は高い。

すでに今夏、神戸の元U-20ブラジル代表FWリンコンは期限付き移籍ながら母国に戻り、FC東京の元ブラジル代表DFブルーノ・ウヴィニは契約解除となった。彼ら同様にここまで期待に応えられていない助っ人たちにとっては、最終節までの約2カ月間はチームの勝利とともに自身の来季契約をかけた戦いにもある。果たして、生き残れるか。ここからの“逆転残留”に期待したい。

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