J1リーグ大激戦「残留争い」 G大阪、神戸、磐田が依然厳しい立場に 川崎撃破の湘南、完勝の京都、劇的勝利の札幌に明るい兆し
11位以下の8チームが現実的な残留争い、ビハインドから意地を見せたチームも
J1リーグは9月3日に各地で第28節の試合が行われた。消化試合数にバラつきがあるものの、最終盤に近づいてきたなかで11位以下の8チームが現実的な残留争いを繰り広げている大激戦となっている。
最大で28試合、延期やAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の関係で消化の少ないチームは26試合を終えている11位以下のチームだが、今節はビハインドから意地を見せたチームが見られた。
湘南ベルマーレは優勝争いをしている川崎フロンターレと対戦。前半に先制を許した展開だったが、後半にFW町野修斗のゴールで追い付くとアディショナルタイムには前線の連係から途中出場のMF阿部浩之が逆転ゴール。2-1の勝利を収めると26試合消化ながら勝ち点を28に伸ばして残留圏内の14位に浮上した。
最下位と苦しんでいるジュビロ磐田は監督交代から2試合目となったが、柏レイソルとの対戦は前半だけで2失点。それでも後半28分に途中出場のMF吉長真優が鮮やかなミドルを決めると、4分後にはシンプルな背後へのパスからFWファビアン・ゴンザレスが抜け出して同点ゴール。敗戦を免れて2-2の引き分けに持ち込むと、27試合消化で勝ち点23は厳しい立場であるものの、2勝で残留圏内に入る可能性を残す貴重な勝ち点1になった。
また、北海道コンサドーレ札幌はセレッソ大阪戦で0-1のビハインドから後半41分に追い付くと、ほぼラストプレーというタイミングでMF青木亮太が決勝ゴールを奪い2-1で逆転勝利。連敗を2で止め勝ち点31に伸ばした。先週にクラブから留任を明言するリリースが出たミハイロ・ペトロヴィッチ監督の通訳も務める杉浦大輔コーチは、この逆転劇に家族で大喜びする姿が話題になったサポーターの映像を選手ミーティングで見せたことをツイッターに投稿していたが、チームの空気を明るくする勝利になりそうだ。
残留争いの直接対決となったカードは京都サンガF.C.とヴィッセル神戸による関西対決だったが、京都は前半9分までに2得点する立ち上がりを生かしてそのまま逃げ切り。ACLでは8強入りを果たした神戸だったが、26試合消化ながら勝ち点24の17位と厳しい立場に。一方の京都は勝ち点を29に伸ばした。
G大阪がJ2との入れ替え戦に臨む16位とボーダーライン上を争う形に
先月に監督交代へと踏み切ったガンバ大阪はサガン鳥栖を相手にホームで0-3の完敗。アビスパ福岡は名古屋グランパスと対戦し、試合中に出た負傷者の治療のために名古屋が蹴り出したボールのスローインから同点ゴールを奪い騒動となったが、長谷部茂利監督が相手にゴールさせることを指示する一幕もあり話題になった。試合は2-3での敗戦となりG大阪と勝ち点28で並んだが、得失点差で福岡が15位、G大阪がJ2との入れ替え戦に臨む16位とボーダーライン上を争っている。
清水エスパルスはサンフレッチェ広島に0-2で完敗。勝ち点31を持って11位にいるものの、得失点差で12位の札幌も合わせて前述のボーダーラインとは勝ち点3差。特に清水は28試合を消化しているだけに予断を許さない。
消化試合数にバラつきがあることで勝ち点の計算も難しく、より最後までハラハラした展開が続きそうなのが今季のJ1残留争いとも言える。この苦しい戦いから抜け出すチームがどこになるか、プレッシャーの懸かる戦いが続いていく。