元G大阪DF金正也さんが引退会見 同期のDF藤春やMF倉田にエール「まだまだやって」
8月15日に現役引退を発表した元G大阪の金正也さん(34)が3日、パナソニックスタジアム吹田で引退会見を開いた。11年間の現役生活ではG大阪、鳥栖、仙台、藤枝でプレー。2014年にはG大阪で3冠にも貢献したDFは「一番在籍が長かったG大阪(6年間)で(引退会見を)やってもらえてうれしかった」と笑顔をみせた。
数々のタイトル獲得に貢献してきたが、現役生活で最も印象に残った試合には悔しい場面を挙げた。2015年9月30日、ACL準決勝・広州恒大(アウエー)との第1戦。当時ブラジル代表MFパウリーニョなど大物助っ人を擁し、アジアで猛威を振るっていた“金満クラブ”とぶつかった完全アウェーの一戦だった。1―1の後半12分、自身の目の前で決められた勝ち越しのヘディングシュートに「あのシーンを鮮明に覚えていて。僕の中では悔やまれるシーンですけど、一番(印象に)残っています」。チームはこの試合に1―2で敗れると、第2戦はスコアレスドローに終わり、ベスト4で敗退。ACL優勝の夢がついえたワンプレーが、今でも目に焼き付いているという。
21年にJ3藤枝を退団後、Jクラブからのオファーがなかったことで、今夏引退を決断。G大阪に同期入団し、現在もプレーを続けるDF藤春や同い年のMF倉田にはエールも送った。「まだまだやってほしいですね。J1のトップレベルで、あの年でやれることはすごいこと。しがみついてほしい」。また古巣のG大阪にも「頑張ってほしいです。僕は大した選手ではなかったんですけど…。昔の結果と今は関係ないと思う。今のチームで一致団結して、全員が同じ方向を向いてやっていただければ、いい結果が出ると思います」と期待をかけた。
今後はサッカースクールの開設を計画しており「DFとしての自分の経験を伝えるような場所をつくって、より実戦的な、自分が経験したことを伝えられるような指導を中学生、高校生を相手にやりたい。僕ができなかったことでも、見ていたことは伝えられると思うので」と話した。G大阪の黄金期を支えたひとりが、新たなスタートを切る