快進撃の大阪学院大が大臣杯初優勝に王手! 死闘の末にGK梅田が駒大封印…實好監督「PK戦は負ける気しなかった」
[8.28 総理大臣杯準決勝 大阪学院大1-1(PK4-3)駒澤大]
第46回総理大臣杯は28日に準決勝を行った。大阪学院大(関西2)と駒澤大(関東3)の対戦は1-1の末、大院大がPK戦で4-3の勝利。初の優勝に王手をかけた。
2018年度以来のベスト4入りを果たした大院大。初の全国制覇を果たすべく、決勝進出を狙う。GKは梅田陸空(4年=大阪学院大高)、4バックはDF大野伶(3年=山辺高)、DF桑本航希(3年=大阪学院大高)、DF舩田陸人(2年=履正社高)、DF渡健大(4年=大阪学院大高)が並ぶ。中盤はMF山田力也(4年=大阪学院大高)とMF箱崎達也(2年=四国学院大香川西高)、MF國分龍司(4年=G大阪ユース)、MF関俊哉(3年=静岡学園高)。2トップはFW閑田隼人(2年=広島皆実高)とFW澤崎凌大(3年=徳島ユース)となった。
昨年度インカレ覇者の駒大は、10年度以来の大臣杯優勝とともに、冬夏連覇を目指す。GKは深澤颯人(4年=武南高)、4バックはDF小針宏太郎(3年=鹿島ユース)、DF鷹啄トラビス(3年=市立船橋高)、DF相澤佑哉(4年=熊本ユース)、DF篤快青(3年=瀬戸内高)が入る。中盤はMF小島心都(3年=湘南工科大附高)とMF仲田瑠(4年=長崎総科大附高)、FWウォー・モハメッド(4年=三浦学苑高)、DF後藤康介(1年=相洋高)。前線はMF高橋優斗(4年=前橋育英高)とFW松本ケンチザンガ(3年=浦和東高)が並んだ。
大院大は序盤にボールを握りつつ、駒大も前線の松本を起点に敵陣に迫る。前半17分、駒大は鷹啄のロングスローから松本のバックヘッドも味方につながらない。直後には大院大がカウンター。澤崎が中盤から前線までドリブルで運び、最後は関がPA左から右足シュート。しかし、GK深澤にキャッチされた。
前半25分以降は駒大が大院大ゴールを脅かす。前半27分、右サイドからのクロスをPA内の松本が落とし、ウォーが頭で競り勝つ。PA右にこぼれたところを高橋が反転しながら右足シュート。ゴール枠内は捉えられず、ゴール上に飛んでいった。前半はそのままスコアレスで折り返す。
後半から試合が動く。先制したのは大院大。後半9分、関が左サイドから中盤に走り、前線にパスを出す。ボールが澤崎から閑田に渡ると、PA左に進入。混戦から澤崎が右足シュート。GK深澤のはじいたボールを関がヘディングシュートで押し込み、待望の先制ゴールを奪った。
しかし大院大は喜びもつかの間、駒大がすかさず反撃。先制から2分後、敵陣内にボールが入ると、ウォーがPAライン上からシュート。PA中央の高橋が好反応でワンタッチしたボールは軌道が変わり、そのままゴールへ。試合は再び1-1と振り出しに戻った。
90分間で決着はつかず延長戦へ。そしてスコアは1-1のまま、勝敗はPK戦に委ねられた。
両者1人目のキッカーは成功。しかし後攻・大院大2人目のMF四宮悠成(2年=徳島ユース)はシュートをゴール枠外に外してしまう。だが、今大会ブレイクの大院大GK梅田が四宮の失敗を打ち消すべく、駒大の3人目、4人目のキックをセーブ。大院大は箱崎が自ら立候補した5人目のキックを成功させて終了。4-3で初の決勝進出を果たした。
大院大の實好礼忠監督は、PK戦の劇的な形以上に「しっかりみんながプレーできている」と延長戦を戦い抜いた選手たちをねぎらう。PK戦では今大会PKストップを連発している守護神・梅田を信頼。「負ける気はしなかったですね」と胸を張った。
ガンバ大阪でプレーしたJリーガーであり、京都サンガF.C.や愛媛FCでも指揮官を務めた實好監督がまとめる大所帯のチーム。だが、大院大は試合前から、失点直後、延長からPKにかけて、終始にぎやかで結束の強さを見せつけた。「200人を超える選手がいる中でも、いつもチームワークを持ってひとつにというところを掲げている。みんな色んな行動をしている中で勝つことを意識して、わちゃわちゃしていますけど、わちゃわちゃでやっていきたいと思います」。初の全国制覇まで残り一勝となった。