強度、スピード感、ピッチ外…明治大での日常がプラスに。MF熊取谷一星がU-19代表候補練習試合で1G1Aの活躍
[8.17 練習試合 U-19日本代表候補 5-0 U-19ベトナム代表]
3年ぶりに年代別日本代表候補合宿に参加している大学生MFが、1ゴール1アシストの活躍だ。U-19日本代表候補MF熊取谷一星(明治大2年)は2本目途中から左SHとしてプレー。3本目5分にFW横山歩夢(松本)との連係から「良い形でボールが来て、上手く当たり過ぎたというか良いところに行ってくれた」という豪快な左足シュートを決める。
直後には左サイドを抜け出し、FW坂本一彩(G大阪)へピンポイントの左足クロス。アシストも記録した。U-19代表候補は1本目の先制後、攻撃の噛み合わない時間帯が続いていたが、165cmの小柄なアタッカーがチームを加速させた。
この日、2本目には鮮やかなステップのドリブルでDF2人をかわしてPAまで持ち込み、右足シュート。3本目のアシスト後も敵陣でのインターセプトからPAの味方へラストパスを通し、決定機に顔を出してシュートを1本、2本と打ち込んだ。
熊取谷は「自分、16の時に呼ばれて2回目なんですけれども、3日間で自分がアピールするのは結果しかないと思っていたので、結果を出せて良かった」。1年時から10番を背負った浜松開誠館高(静岡)時代の19年5月に、U-16日本代表候補合宿へ参加して以来の代表招集。高校時代には静岡の10番を背負って国体制覇を経験し、現在、強豪・明治大で出場を重ねるアタッカーが一際キレのある動きで躍動した。
ただし、満足はしていない。「結果残せて手応えは感じているんですけれども、課題の部分の方が印象に残っている」。チームが勢いよく攻め続ける中、ラストパスでミスが出たり、クロスが合わなかったりした部分があった。もう1つ2つゴール、アシストできたような場面があったことは確か。同世代の才能たちのパス、シュートの質の高さに刺激を受けた熊取谷は、自信と課題をチームに持ち帰る。
熊取谷の支えとなっているのが、明治大での日常だ。「大学の強度やスピード感は日本の中でもアマチュア界ではトップレベルにあると思うので、そのトップトップにある環境でやれていることは、こういうところに来た時に自分にとっては本当にプラスになっています」。熊取谷は明治大で得ている財産をもう一つ挙げる。
「明治で得たものをもう一つ挙げるとするならば、ピッチ外。人間形成の部分は一番得ているモノだと思います。開誠館も同じように人間形成を求められて、明治ではもう一個上がったことを求められるので」。
加えて、明治大の先輩FW佐藤恵允(3年)がU-21日本代表の一員として、AFC U-23アジアカップで活躍。その背中は熊取谷に刺激と学びをもたらしている。「(これまで)自分のチームにああいう選手がいたということが無かったので本当に刺激になっていますし、いつも練習していて本当に学ばせてもらっています」。まずは、継続して明治大の先輩FW、チームメートに負けないピッチ内外を過ごすこと。「ここからチームに戻るので、まず試合に出て、スタメン勝ち取って、自チームで活躍することが目標です」。その先に世界での活躍を見据える。