G大阪・小野社長と和田取締役、今後クラブが目指すサッカー観にも言及「バランスが常に重要」
G大阪は17日、片野坂知宏監督(51)の契約解除と松田浩コーチ(61)の新監督就任を発表した。この日オンラインで会見した小野忠史社長(61)と和田昌裕取締役(57)は、2年連続の監督途中交代を受け、今後クラブとして志向するサッカーについて言及した。
和田取締役は「2年連続途中で監督を交代していることは反省しないといけない」と口にした。昨季の開幕から10試合で解任された宮本恒靖元監督は、その前年2位をつかんだ守備重視の方針から、ボールを保持して主導権をつかむ万能チームへの転換を模索。しかし、10戦1勝と結果が出ず、それに伴って求心力も低下した。今季就任した片野坂前監督は後方からのボール保持やマンマーク気味のハイプレスなどに挑んだが、それらを成立させる個人戦術の成熟までは手が届かず、チームの機能性を欠いたまま時間が経過。24試合で勝ち点22の17位に沈んだ。
これらの結果をフロントはどのように受け止めたか。和田取締役は「もっとクラブが目指すサッカーを、契約前から話し合って、我々がしたいサッカーを構築できますかという話をしていく必要がある」と語った。片野坂前監督の取り組んだサッカーとクラブが思い描いたサッカーの齟齬については「リアクションサッカーがいけないとは思っていない。チームを構築していくうえで、選手の力量を見てリアクションにすることもあるし、アクションを起こす攻撃的なチーム作りも片野坂監督はできると思っていた。彼とも話をしたが、『試合ごとに少しぶれてしまった』というのは口にしていた。結果が出ないとネガティブになり、勝っていると全てがうまく回ることもある」と説明した。
和田取締役はさらに、今後について「これからのガンバはやはり皆さんが求める攻撃的なサッカー、主導権を取るサッカーを当然目指さないといけないと思っている。ただ攻撃的なサッカーに移行するのは、今年片野坂さんにもお願いしましたけどそんな簡単にはいかない。僕はやはりバランスが常に重要だと思っている。攻守のバランスを求めながら、徐々に攻撃的に進むことを外してはいけない。攻撃的なサッカーは魅力的ですが、そこに行くために段階が必要だと、今年スタートしてここまでですごく感じている」と口にした。
小野社長と和田取締役は、今季の残り試合を松田新監督に託しつつ、来季以降の監督についても並行して絞り込んでいくことを明かした。苦しい数年間の反省を生かし、クラブが新しいサッカー観を築き上げられるかが注目される。