G大阪小野社長が監督交代説明「クラブ一丸となって戦いたい」
片野坂知宏監督(51)との契約解除、コーチとして招聘(しょうへい)したばかりの松田浩氏(61)の後任監督就任を発表したサッカーJ1、G大阪の小野忠史社長と和田昌裕強化アカデミー担当兼普及部長が17日、オンラインで記者会見し、今季残り10試合で監督交代に踏み切った経緯などを説明した。
「思うようなチームづくりができず、夏場に(選手を補強して)戦力アップを図ったが、浮上のきっかけをつかめなかった」と監督交代の理由を説明した小野社長は「代えたくない本音はあった。残留のため、クラブ一丸となって戦いたい」と強調。「(序盤で宮本恒靖監督から松波正信監督に代わった)昨年とは状況が全然違う」と話した和田部長は「諦めずに戦う姿勢が足りなかったり、勝ち切れない試合が多かった。最後に追いつかれてしまったり、0-0で終われるのに失点してしまったり…」と契約解除にいたった要因を列挙した。
チームは14日に残留争いのライバルである清水にホームのパナソニックスタジアム吹田(大阪府吹田市)で0-2で敗れるなど直近の6試合で勝ち星がなく、その間3得点11失点と深刻な得点力不足に陥っている。報道陣から守備組織の構築に定評がある松田氏をこの時点で新指揮官に起用することの是非について問われた和田部長は「目標は残留というはっきりしたものがある。より組織的にチームとして戦っていく。一人一人の役割をもっと明確にし、勝ち点を確実に上積みしていく。硬いサッカーになる可能性はあるが、失点しないことは大事」と力を込め、17日午前中に約2時間、選手、スタッフにミーティングを行った松田氏からも「一人一人が必死になることで全体の一体感を取り戻し、勝ち点を積み上げていきたい」との話があったことを明かした。また、16日に行った面談で、片野坂監督が「試合ごとにぶれてしまった点があった」と反省を口にしていたことも打ち明けた。
来季以降の構想については、和田部長は「まずは今シーズン限定。10試合、勝ち点を取るために松田さんにお願いしている」と話すにとどめた。G大阪は現在、J2降格圏の17位に低迷。松田氏は17日の練習からチームを指揮しており、20日の敵地での広島戦が監督としての初陣になる。