U-17アジアカップ予選へのサバイバル。U-16日本代表候補は2連戦第1試合で市立船橋に3-0勝利

[7.14 練習試合 U-16日本代表候補 3-0市立船橋高 高円宮記念JFA夢フィールド]

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10月にヨルダンで開催されるAFC U17アジアカップ予選(FIFA U-17ワールドカップアジア1次予選)へ向けて準備を進めるU-16日本代表候補は千葉合宿最終日の14日、練習試合2試合を行った。第1試合は市立船橋高(千葉)と対戦(35分ハーフ)し、FW山崎遥稀(鳥栖U-18)、DF吉永夢希(神村学園高)、MF望月耕平(横浜FMユース)のゴールによって3-0で快勝した。

今回のU-16日本代表候補合宿は5月のルーマニア遠征、6月のインターナショナルドリームカップメンバーから大きく入れ替え、アジアカップ予選へ向けた新戦力の発掘や可能性のある選手たちに刺激を与えることが狙い。森山佳郎監督は「ルーマニアとかドリームカップ行ったやつとの競争、とだいぶ煽ってやりました」という。2日前の千葉U-18戦は特長を出せなかった選手が多かったようだが、この日は何ができるかをそれぞれが表現していた。

市立船橋戦の先発はGK田中亜理(柏U-18)、右SB上原悠都(昌平高)、CB山本虎(青森山田高)、CB國岡俊哉(興國高)、左SB吉永、ダブルボランチが今富輝也(神戸U-18)と峯野倖(市立船橋高)、右SH石山青空(新潟U-18)、左SH白須健斗(横浜FMユース)、2トップはゲーム主将の倉林佑成(千葉U-18)と山崎がコンビを組んだ。

市立船橋は千葉県1部リーグを戦うセカンドチームの選手たちで構成。序盤、U-16代表候補は相手を押し込んで左サイドのスペースを活用する。攻撃力を高く評価されるSB吉永や白須が縦へ抜け出し、ラストパスへ持ち込んだ。

また、右の石山や倉林と山崎の2トップも積極的にフィニッシュ。だが、市立船橋はGKギマラエス・ニコラス・ロドリゲスが抜け出しからのシュートをストップしたり、DFラインの的確なシュートブロックによって得点を許さない。逆にFW岡部タリクカナイ颯斗とFW宮川瑛光の2トップがボールを収めて攻め返して見せる。

だが、U-16代表候補は峯野がチームメートとの戦いで賢さやボール奪取力を発揮するなど高い位置での奪い返しに成功。山本虎をCB鈴木悠仁(神村学園高)に代えた後も決定打を打たせずに試合を進める。そして34分、右中間から石山がスルーパス。これに走り込んだ山崎がニアへ右足シュートを叩き込み、リードを奪った。

U-16代表候補は後半開始から右SB三宮稜大(京都U-18)、望月、FW仲山獅恩(東京Vジュニアユース)をピッチへ送り出し、山本虎を再投入した。仲山の中央突破、スルーパスから石山が右足を振り抜くなどチャンスを作るが、結果を強く求める選手たちの強引な仕掛け、シュートはなかなか追加点に結びつかなかった。

12分にGKステイマンジョシュア草太郎(G大阪ユース)を投入。また、後半は上原、國岡、今富、山崎が再投入され、中でも森山監督から峯野とともに「刈る能力がある」と認められた左SB上原は1対1で相手を潰しきっていたほか、跳躍力を活かしたヘッド含めて奮闘する。

市立船橋は切り替えの速い守備で対抗。後半半ばにはMF藤代俊幸のクロスにMF並木耀大が飛び込むなど、連続でゴール前のシーンを作り出した。一方のU-16代表候補は、好パスを2本、3本と通していたCB鈴木の縦パスから仲山がドリブルシュートへ持ち込むなど追加点を狙う。

そして、35分、右の三宮がGKとDFラインの間へグラウンダーのラストパスを入れる。中央の山崎はわずかに届かず、ボールはそのままエンドラインを越えるかと思われた。だが、左SHへポジションを上げていた吉永が猛然と走り込み、スライディング。エンドラインギリギリで合わせた一撃がゴールラインを越え、2-0となった。さらに1分後、シュートのこぼれ球を狙っていた望月がDFの寄せよりも速く右足でゴール。最後まで攻め抜いたU-16代表候補が3-0で勝った。

アジアカップ予選まであと3か月。U-16代表候補はすでに核になってきている選手がいることも確かだが、今回の合宿メンバーの中にはルーマニア遠征、インターナショナルドリームカップメンバーとの差がほとんどないことを示した選手もいる。「この4日間かなり濃密だった。自分が変わるというか成長するきっかけにしてほしい」(森山監督)という4日間。指揮官から「常に自分自身をプロデュースしなさい」とメッセージを受けた選手たちは、代表チームの基準を忘れずにトレーニングを続け、公式戦などで「変わったこと」「アジアで戦える力があること」をアピールする。

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