【番記者の視点】天皇杯敗退のG大阪 片野坂知宏監督が語った「信頼できる選手」の基準

◆天皇杯 ▽4回戦 鹿島2―0G大阪(13日・カシマ)

G大阪はリーグ、ルヴァン杯含めて鹿島に今季4敗目を喫し、天皇杯ベスト16で敗退した。0―0の後半26分、途中出場した鹿島MFピトゥカに美しいミドルシュートを決められると、その4分後には同FWエベラウドのゴールで2失点目。GK東口順昭は「0―0の時も(押し込まれて)ダメージのある状態だった。ただ0―0という結果がつなぎとめていたものが、ちょっとずつ水漏れしていった。力不足です」と表現した。今のチーム状況ではJ1で上位を行く鹿島と真っ向からやり合って勝ち切ることは困難だった。

9連戦の8試合目。後半はやはり選手たちに疲労の色が浮かんだ。16日には大阪ダービーのホーム・C大阪戦が控えるため、試合前にはメンバーの入れ替えも予想したが、片野坂知宏監督は大幅なローテーションは行わなかった。その理由を聞くと「シンプルに、鹿島さん相手に戦えるメンバー、というところ」という答えが返ってきた。

ベンチ外が続いているFWレアンドロ・ペレイラら実力者もいる中で、疲労がある選手たちを起用した点について聞くと「まず一体感を持って戦ってくれる、タスクを遂行してくれる、信頼できる選手をとにかく使わなければいけない。信頼を置ける選手たちということで、今日のメンバーを選考しました」と答えてくれた。さらに「サブにはフレッシュな選手も、(ベンチ外で)大阪に残っている選手もいます。そういう選手がダメ、とかではなく、足りていないところがある。だからこそ先発で(使っていない)、と捉えてほしいし、そういうところに目を向けて、チャレンジしてほしい」と続けた。

守備でのハイプレスなど、攻守に強度を持ったサッカーを目指す中で、後半戦はベンチ入りメンバーも固定されつつある。ベンチ外が続くレアンドロ・ペレイラ、MFウェリントン・シウバ、この日韓国2部・大田への期限付き移籍が発表されたMFチュ・セジョンは、守備の強度でチームへの貢献が不足していた選手だ。一体感を重要視し、得意なプレーはあっても、指揮官の求める基準に達していない点がある選手を起用しない判断は、片野坂監督の覚悟とも言える。

復調のきっかけをつかみたかった天皇杯で敗れ、主力は中2日と厳しいコンディションでC大阪戦を迎えることになった。ただ歴史を紐解くと、大阪ダービーはチームの調子が結果に反映されないことも多い。鹿島戦の試合後には、主将のMF倉田秋が選手たちを集め「これまでもダービーで勝って、流れを変えてきた。自信を持って戦おう」と呼びかけたという。今夏加入のFW鈴木武蔵、食野亮太郎が出場可能となり、どん底のチーム状況を断ち切るチャンスともいえる。この試合が、今季のターニングポイントになることは間違いない。

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