リーグ戦の名古屋戦では片野坂体制初となるガンバクラップを行い、ホームで勝つ喜びを選手、サポーターが一つになって噛み締めたガンバ。その後のアウェイ2連戦では勝ちきれなかったものの、2試合連続で後半に追いつく粘りを見せ、敵地でチーム全体が執念を見せてきた。
公式戦5連戦の4試合目となるルヴァンカップの大分戦だが、この試合はもはやガンバにとって引き分けも許されない一戦だ。
グループAで1分け2敗と未だ勝利がなく、最下位のガンバだが、片野坂監督が口にした言葉が全てを物語る。
「我々はもう、ルヴァンカップの残り3試合で3連勝しないと突破は難しいと考えている。大分戦は非常に大事だし、相手も負けられない状況は変わらない。この試合で勝った方が、今後の突破に近づくことになる」。

内容が伴えばベストだが、過密日程の中での総力戦で必要なのは勝利のみ。そのために必要になるのが、大分のゴールをこじ開ける作業になる。
今季、全ての公式戦でゴールを奪っているガンバだが、鍵を握るのはリスクを恐れない勇気である。
「大分も（ボールを）繋いで来るチームだが、いかに自分たちがボールを持った時に恐れず前進していけるかどうか。相手の攻撃の時間をいかに減らすかが大事」と話すのは清水戦の後半投入され、攻撃のギアを上げた山本だ。
アウェイの大分戦ではチャンスを作りながらも、決定力を欠き、ドローに終わっているが、熾烈なポジション争いの中でチャンスを掴み始めている坂本も、ゴールという結果に燃える一人。「今がチャンスだと思うので、点を取ってチームに貢献したい」と坂本はホームでのデビュー戦に向けて気合十分だが、過去ガンバが栄冠を手にしてきたルヴァンカップでも必ず若い力が台頭していた。
組織的な守りを見せる大分だが「悠樹くん（山本）ならば、前を向いたら背後にピンポイントでボールを蹴ってくれる」と坂本も信頼を口にする。

一方の大分もＪ２リーグを戦う過密日程の中でパナソニックスタジアム吹田に乗り込んでくる。前節は徳島相手に、長沢が決勝点。今季初めて完封勝利を飾るなど、勢いに乗ってくるはずの大分だが、ガンバ戦は9連戦の2試合目。ガンバより厳しい日程で週末にリーグ戦が控えるだけに、総力戦で挑んでくるはずだ。
リーグ戦でも直近の5試合は3勝1分け1敗と調子を上げている大分だが、Ｊ２勢と侮れないのはルヴァンカップの戦いを見ても明らかだ。ガンバと鹿島に対して点の取り合いでいずれもドローに持ち込んでおり、元ガンバの呉屋が3得点、長沢も3得点とリーグ戦で好調を維持している。
両選手がピッチに立てばもちろん警戒すべき存在であるが、セットプレー関連でも計4得点を奪っている大分。フレッシュな顔ぶれで挑んでくる可能性も十分あるが、運動量と球際の攻防で後れを取ることは禁物となる。
「ホームだし、サポーターのためにも勝利と満足のいく内容を残したい」と山本が語った意気込みを、ピッチに立つ全員で結果に繋げてみせる。

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